AfDがTikTokでドイツ最強政党になる
XやTikTok上ではお騒がせ現象が続いており、若い有権者を惹きつけるためにTikTokを利用する政治活動家が増えている。先日発表された研究論文によると、ドイツの政党で最も盛んにTikTokを利用していたのは、極右政党として知られるAfD(ドイツのための選択肢/Alternative für Deutschland)だった。
「独のTikTok上で最も影響力のある政治家」のランキングでは、40万人以上のフォロワー数を誇るウルリッヒ・ジークムント議員が一位に選ばれた。ジークムント議員は、東独ザクセン・アンハルト州議会のAfD会派のリーダーである。また30万人近くのフォロワーがいるAfD党党首のアリス・ヴァイデル議員もトップ5に食い込んだ。彼らのアカウントのフォロワー数は、独首相のオラフ・ショルツ(フォロワー約26万人)や、副首相ロベルト・ハーベック(フォロワー3万人弱)を上回っている。
この論文に携わった人物の一人、アンネ・フランク教育センターのデボラ・シュナーベル氏によれば、TikTokには右翼過激派特有の露骨な表現が大量に存在しており、AfDの(およびAfD関連の)アカウントは「そのようなコンテンツ」に繰り返し関与してきたという。
論文の著者たちの言葉を借りるなら、AfDの政治家や右翼過激派は、若者たちの支持を集めてイデオロギーを広めるための「パラレルワールド」としてTikTokを利用している。彼らは、その戦略にも長けているようだ。たとえばAfD党首のヴァイデル議員は、従来のイメージとは大きく異なった「自然体の楽しいキャラ」をTikTok上でアピールしており、それは若者を惹きつけるように面白おかしく描かれている。
4月に発表された大規模な世論調査によると、AfDは14歳から29歳の若者の間で急速に人気を高めている。その得票数は、わずか1年前の2倍にあたる「22%」と予想された。
一方で、他党の議員たちによるTikTokの利用は、どうもぱっとしないようだ。シュナーベル氏は中道左派の大物議員たちのフォロワー数の少なや、そのパフォーマンスの悪さを指摘しながら、TikTokに説明の動画や教育的なコンテンツを載せるだけで若者たちを惹きつけることはできないと語り、「コミュニケーションの戦略について再考する必要がある」とも述べた。
https://www.dw.com/en/far-right-afd-appears-as-strongest-german-party-on-tiktok/a-69264717
https://www.dw.com/en/germanys-afd-on-tiktok-the-political-battle-for-the-youth/a-68690661