ニュースの見出しに使われる動詞によって、読者が客観的と感じるかどうかが変わるという論文

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ニュースの見出しになんらかの影響力があることはだいたいの人が気づいている。見出しひとつで読む気になるかどうかが決まることもある。Aaron Chueya、 Yiwei Luob、 Ellen M. Markmanaらによる「Epistemic language in news headlines shapes readers’ perceptions of objectivity」という論文は見出しに使われる動詞が、読者が客観的と感じるかどうかに与える影響を調査したものだ。また、同時に真実と判断することへの影響も測定した。

結論から言うと、見出しで用いられる動詞は客観性の判断に影響を与えるが、真実性の判断への影響にはばらつきがあった。「言う(say)」や「理解する(understand)」あるいは「知っている(know)」という言葉は客観的という印象を与え、「信じる(believe)」「考える(think)」といった動詞は主観的という判断につながる。

この論文では、気候変動やジェネリック医薬品などさまざまな話題について8回実験が行った。その結果、客観性に関する読者の判断は、見出しに現れる単一の動詞に影響を受けていたことがわかった。この効果は、読者になじみのないニュースの見出しで最も顕著だったが、気候変動に関する見出しでも顕著だった。

言われてみればもっともな話だが、実験結果の数字を見ると説得力がある。見出しの動詞が与える影響が客観性と真実性の判断で異なるのは興味深い。言語によっても影響は違ってきそうだ。

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