絆は弱いほうが強い?「よく知らない人が共有したフェイクニュース」は信頼されやすい

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米ハーバード大のジャーナリズム研究所ニーマンラボが、興味深い論文を解説した。その論文によると、私たちは親友によって発信された情報よりも、よく知らない人物に発信された情報のほうを「信憑性が高い」と認識してしまう傾向があるようだ。

この「The Strength of Weak Ties and Fake News Believability(弱い絆の強さ、そしてフェイクニュースの信憑性)」と題された論文は、ペンシルベニア州立大のオサトゥイ博士とインディアナ大のデニス教授によって共同執筆された。

彼らは250人の参加者を対象に実験を行った。参加者は4つの異なるFacebookの投稿(2つは真実の情報、2つは嘘の情報)を見せられた。それらは各参加者にとって絆の強い人物/絆の弱い人物がシェアしたものとして提示され、参加者は「各投稿に、どの程度の信憑性があるのか、真実味があるのか、信頼できるか」を1〜7の尺度で評価した。その結果、参加者たちは「絆の弱い人物が共有した嘘」を信じる可能性が高かった

それぞれの参加者は「絆の強い人物/弱い人物」を評価するためのレベル認定も行なっている。そして彼らは、自分にとって絆の強い人物を「より誠実で善意があり、能力がある」と評価していた。そうであるにも関わらず、同じフェイクニュースの発信元としては、絆の弱い人物が発した場合の信憑性を高く評価した。つまり我々は、信頼している親友や家がシェアする情報よりも、あまり親しくない人物がシェアした情報を信じやすい。

これは厄介な傾向だ。たとえばあなたの親友が「会ったこともない人物の発信するフェイクニュース」に傾倒してしまった場合、あなたが親友を説得するのは困難になる。ほとんど他人の発信者と比べ、強い絆で結ばれているあなたのほうが分が悪くなってしまう。

気が滅入るような研究結果だが、一方で、この論文は偽情報の拡散を抑制するヒントも提供している。これまでフェイクニュースの対処法は、主に「ニュースそのもの」のほうに焦点が当てられてきた(たとえば偽情報であることを示すためのマークをつけるなど)。

しかし最近では「読む側が健全な懐疑心を培うこと」を推奨するための研究も進められている。そして今回、新しく発表された論文は、そこからさらに一歩進んで「絆の弱い人物が発信している情報を──おそらくは強い絆のある人物が発信する情報よりも──慎重に評価するようユーザーに促すこと」を推奨している。

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