日本ファクトチェックセンターが認定試験を開始
日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェック能力についての認定試験を開始した。Googleフォームを利用したオンライン試験で、チェック式の問題が40問が出題される。費用は千円で合格すると認定バッジが付与される。
問題はYouTubeのJFC ファクトチェック講座から出題されるので、あらかじめ講座で学習してから受けることで合格の確率が高まる。JFCでは引き続き、講師養成講座の開設も予定している。2時間のオンラインセミナーを受講すると修了した証しとして、ファクトチェック講師の認定証もらえ、教育の際に利用できる教材を入手することができるようになる予定だ。
発足以来、JFCはJFC型ファクトチェックの普及に努めている。JFC型と書いたのは、国内の他のファクトチェック団体とJFCの間にはファクトチェックに対する考え方に相違が見られるためである。この考え方の違いは、総務省の「デジタル空間における情報流通の健全性確保に関する検討会」への対応でも如実に表れている。JFC以外は実証実験に参加しておらず、同検討会のとりまとめ案に対してInFactは緊急シンポジウム 「『官製ファクトチェック』の出現を危惧する」を8月12日12:00に開催する(ファクトチェックイニシアチブの理事と理事長も参加)。
ファクトチェック団体が社会の分断を広げるような状態は好ましくないが、ファクトチェックのあり方や今後の方向性が議論によって深まることは望ましいことでもある。時代と技術に合わせてファクトチェックを進化させようとするJFCと、ジャーナリズムを基盤としたファクトチェックのあり方を追求する他の団体が議論によって進化することを期待したい。
なお、前述の緊急シンポジウム 「『官製ファクトチェック』の出現を危惧する」には、新領域安全保障研究所から一田和樹が登壇して全般的な誤・偽情報対策の課題についてご紹介する予定である。持ち時間が5分間となっているため、説明が不足可能性が高く、そのために別途誤・偽情報対策の課題についてのウェビナー「公開テスト配信 誤・偽情報対策が安全保障上のリスクになる時」を用意している。8月7日(水)昼の12:00より30分間のコンパクトなものなのでお気軽にご参加いただきたい。