米選挙目前、共和党に送ったザッカーバーグのメッセージ
米大統領選が近づく中、MetaのCEOザッカーバーグが下院司法委員会のジム・ジョーダン委員長に送った書簡が話題になっている。コロナ禍においてバイデン政権から圧力を受け、コンテンツを削除する対応をおこなったことは誤りであったという内容だ。特に「ユーモアや風刺」のコンテンツすらも検閲の対象になっていたことで、驚いた人も多かったようだ。
これを受けてジョーダンが喜んだことは言うまでもなく、さらにトランプはSNSのTruth Socialに、2020年の選挙は操作されていた! という主張の証拠だと書き込んだ。
ただし、全く新しい事実や主張が含まれているというわけではない。ザッカーバーグの謝罪はみせかけにすぎず、書簡の内容は過去にすでに彼が認めたことを再パッケージ化したものにすぎないとブルームバーグは指摘している。
ブルームバーグ以外にもザッカーバーグの書簡は共和党との関係をよくするという目的のためのもので、本心から誤りだったと考えているわけでも、反省しているわけでもないという声は他でも聞かれる。
いずれにしても米大統領選前のタイミングでのこの書簡は政治的な意図を疑われても仕方がないものであるとともに、ビッグテックの政治的動向のニュースバリューが高いとメディアは判断されていることのわかりやすい証拠となった。
新聞は、2015年以降、SNSプラットフォームに対してそのポリシーを否定的に報道する傾向があるという、INODS UNVEILの記事で紹介した論文そのままであり、10年間も同じ事を同じトーンで記事化してきたメディアのあり方も問われるべきだろう。
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