Graphikaが米選挙をターゲットにしたスパモフラージュをレポート

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新しい手法を試み、影響力を高めるものの 効果はほとんどなかった

偽・誤情報、デジタル影響工作分野で著名なGraphikaが2024年9月3日新しいレポート「The#Americans Chinese State-Linked Influence Operation Spamouflage Masquerades as U.S. Voters to Push Divisive Online Narratives Ahead of 2024 Election」を公開した。

このレポートでは、スパモフラージュ(Spamouflage、別名 Dragonbridge、Taizi Flood、Empire Dragon)は、40以上のオンラインプラットフォームで展開されており、親中、反欧米などの発信を行っている。
今回のレポートでは、スパモフラージュがより積極的に米国内の有権者に干渉しようとしていると指摘している。これまでに比べると、具体的に米選挙に関する発言を行っており、共和党および民主党のリーダーや政策などを批判している。米国内からの発信を装って、15のXアカウント、ひとつのTik Tokアカウントを利用していた。コンテンツはAIにより生成されており、バイデン、トランプ、ハリスをターゲットとしていた。ただし、効果はほとんど確認されなかった。
今回のGraphikaのレポートはISDが4月に公開した4つのスパモフラージュに関するレポートと重なる部分もあり、新しい手法を試み、影響力を向上させている可能性を示唆している。ただし、今回GraphikaがレポートしたクラスターとISDが報告したクラスターが異なっていると判断している。

これまでの多くのスパモフラージュがそうであったように間違いなく本物ではないプロフィールを使っており、すでにGraphika、マイクロソフト、ISD、Recorded Futureが報告したコンテンツを拡散していた。

スパモフラージュはパーセプション・ハッキングなのか?

Metaの最新レポートでは世界でもっとも有名なロシアのデジタル影響工作作戦であるドッペルゲンガーがパーセプション・ハッキングである可能性を指摘していた。当然だが、スパモフラージュもパーセプション・ハッキングを主たる狙いにしているのではないか? という疑問がわいてくる。なぜか、Meta以外の調査研究者はそうした可能性を考慮することがない。

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