「ウクライナにとって、TikTokはTelegramより危険だ」と同国の偽情報専門家が指摘

ウクライナの偽情報対策国家センター(CPD)の副所長Alina Aleksieevaが、TikTokはTelegramよりもウクライナにとって「危険性が高い」と会見で述べた。
TikTokといえば、若年層のユーザーが圧倒的に多いという印象を受けやすい。しかしウクライナではTikTokが幅広い年齢層で支持されており、55歳以上のユーザーも少なくなく、同国でのユーザー数は2022年時点で1,050万人を超えていた。
しかし、ウクライナが「すでにTelegramを把握している。その構造や動作を理解している」一方で、「TikTokは大きな懸念となっている」とAleksieevaは語った。
データ分析プラットフォームVox Ukraineの副代表Svitlana Slipchenkoも、ウクライナが「(ロシアのプロパガンダの拡散に関して)Telegramひとつに焦点を絞りすぎていること」の危険性を指摘している。
CPDは、ロシアの偽情報を拡散する80以上のTikTokアカウントのリストを公開しており、またTikTokと協働してロシアのプロパガンダの抑制、および有害アカウントのブロックにも取り組んでいる。その一方で、同国では「TikTokの利用禁止」についても検討されてきた。今後の米国の決定によっては、そちらへ舵がとられる可能性も大いにあるだろう。
ちなみにウクライナでは9月初旬、国家および安全保障当局者、軍人、重要インフラ施設の従業員が使用する公式デバイスでのTelegramの使用が禁止された。国防情報局長のKyrylo Budanovは次のように述べている。
「これまで私は常に、言論の自由のために立ち上がってきた。今後もそうするつもりだ。しかしTelegramの問題は、言論の自由の問題ではない。これは国家安全保障の問題である」