世界に広がる1,800組織、3,000人の極右ネットワーク

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Global Project Against Hate and Extremism(GPAHE)は2000年から2024年の間に開催された極右カンファレンスに登壇した講演者と組織のデータセットをまとめた。このデータセットには、1,800の組織を代表する3,000人の個人と、24年間に35か国で開催された302のカンファレンスが含まれている。北米、南米、ヨーロッパのほぼすべての
国から登壇者しており、アフリカやアジアの一部からも登壇者があった。

GPAHEは2024年10月8日に、このデータセットを分析したレポート「Mapping The Far Right: The Movement’s Conferences Illuminate Its Growing Transnational Networks」を公開した。レポートでは、世界的に過激な極右が広がっており、国境を越えて連携し、民主主義の後退を招いている。

GPAHEは、極右を、主流の右翼に近いグループ、反LGBTQ+と反女性グループ、白人至上主義者グループ、ネオファシストとネオナチグループの4つのカテゴリーに分け、独自の尺度でそれぞれの関係性を整理し、影響力の強さを計算した。ただし、あくまでカンファレンスの参加状況からの分析のため、それ以外の活動が活発なグループを過小評価している可能性がある。

レポートではさまざまな統計と尺度が示されている。たとえば登壇者の数では、圧倒的にアメリカが多く、次いでイタリア、フランス、ハンガリー、イギリスとなっている。上位は北米、ラテンアメリカ、ヨーロッパで締められている。極右のカンファレンスは圧倒的にヨーロッパ(特に西ヨーロッパ)が多く、ついで北米となる。ただし、その中でも地域による差異があり、中央ヨーロッパでは反LGBTQ+と反女性、キリスト教国家主義グループのカンファレンスが多く、スカンジナビアでは白人至上主義や反ユダヤ主義、ウクライナやロシアではネオファシストとネオナチが多かった
データセット中、もっとも影響力が大きかったカンファレンスは下記の3つ。3つとも100人を超える登壇者がおり、ほとんどが影響力のある人物だった。

・ワシントンDCで開催されたCPAC2023(2023年)
・ハンガリーで行われたMathias Corvinus Collegium Feszt(2022年)
・モスクワで開催されたLarge Family and Future of Humanity カンファレンス(2014年)

CPACはもっとも強力な影響力を持つグループで、もっとも影響力のあったカンファレンスのうち2つを開催していた(CPAC2023とMathias Corvinus Collegium Feszt)。ハンガリー、メキシコ、ブラジル、韓国、日本、オーストラリアに拠点を持っている。中でもハンガリーとブラジルのCPACは影響力が大きい。

レポートでは極右のネットワークについても分析しており、アメリカの極右グループがヨーロッパで影響力を持っていると指摘している。ハンガリーやロシアは政治的に利用する目的でがこうしたグループに影響を与えている

また、各国ごとの極右団体の解説や相互の関係性も整理されている。

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