保守は気候変動に関する真偽判定能力が低いという調査結果

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日本では選挙の争点になることがあまりないが、欧米において気候変動は重要な政治的話題のひとつになっている。2024年10月17日に公開された「Conservatives are less accurate than liberals at recognizing false climate statements, and disinformation makes conservatives less discerning: Evidence from 12 countries」という論文によると、12カ国(アメリカ、イギリス、カナダ、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、フィリピン、インド、パキスタン、ナイジェリア、南アフリカ)、1,721名の調査によって、保守は3つのバイアス(expressive responding 、 partisanship bias、 motivated reasoning)によって、気候変動対策を遅らせる発言を真と誤認しやすいことがわかった

この調査は政治的イデオロギーが真偽判定におよぼす影響を検証したもので、気候変動をテーマに選んでいる。この問題には2つの側面がある。真偽判定、個人のイデオロギーとの一致/不一致である。政治的イデオロギーが真偽判定に与える影響には下記のような仮説がある。

・Motivated reasoning 政治的イデオロギーと一致するものを真と判断しやすいバイアス。
・Expressive responding 自分が属する政治的イデオロギーの環境内で発言された内容を信じやすいバイアス。
・Partisanship bias 政治的イデオロギーの世界観やイデオロギー集団のアイデンティティと一致していると信じやすくなるバイアス。
・Bias of the right 保守はリベラルよりも偽・誤情報の影響を受けやすい。
・Lazy reasoning 怠惰なため慎重な推論を行わない。

調査の結果、保守は、気候変動対策を遅らせる発言を真と誤認しやすく、偽・誤情報に騙されやすいことがわかった。
世界的に保守は気候変動に消極的であることが多いが、それが保守の政治的イデオロギーによるものということを検証した論文になっている。

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