米選挙期間中の当局のアナウンス ロシアが最大の脅威

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2024年米国選挙の投票日にあたる11月5日、および投票日前日の11月4日、米国では「選挙を標的とした影響工作」について警告する二つの声明文が発表されていた。
ひとつはFBIによる声明。もうひとつはODNI(米国家情報長官)、CISA(米サイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁)、FBIによる共同声明だ。ここでは二つの内容をまとめてお伝えしたい。

目次

FBIの声明(2024年11月5日)

この声明は、「選挙に関する虚偽情報を拡散する目的で、FBIの名前と記章が不正に利用された3つの事例」を報告するものだった。具体的には下記である。

1.FBIがメディアやブロガーに対し、「投票所で行われる暴力の情報公開」を控えるよう警告する偽の声明
「情報を公開することにより、暴力が増幅する可能性があるので情報公開を控えよ」というFBIの声明が拡散された。これはFBIから発表されたものではなく、内容も完全に虚偽のものである。

2.FBI、および別の政府機関を装い、米国の学校に対して「11月11日までの教育活動の中止」を提案する偽の映像
「選挙の影響で、学校での銃乱射事件や暴動のリスクが著しく高まっている」と主張し、「死傷者を出さないよう、学校はリモート教育に切り替えるか、あるいは授業を一時的に中止すべきだ」と主張する内容。この映像も完全な偽物であり、FBI(およびその他の政府機関)は関与していない。

3.FBIが「投票機の不具合に関する9,000件の苦情を受けた」と主張している偽の映像
この映像の中では「特定の候補者に票が誤って送信された」とも主張している。
FBIは、これら3つの事例のすべてが完全に偽物であり、いずれの内容も事実ではないと強調した。

ODNI、FBI、CISAの共同声明(2024年11月4日)

こちらの声明は、国外の敵対勢力が選挙の選挙に対して行っている影響工作について警告するもので、その内容の多くが「ロシアの脅威」の詳述に割かれている。

・ロシアが最も活発な脅威である
ロシアに関連づけられる影響工作員たちは、米国の選挙の正当性を損ない、有権者に選挙への不安を植え付け、また「米国人同士が政治的志向の違いを理由にして暴力を振るいあっている」と印象付けるための動画を制作し、偽の記事を作成している。
これらの活動は、選挙当日、および終了後の数日間から数週間にわたって強化されることが予想される。

・ロシアが拡散した偽情報の例
昨今のロシアの影響工作員たちは、「激戦州の米政府関係者が、大量投票やサイバー攻撃などの多様な戦術を用いて選挙不正を画策している」という虚偽の記事を投稿し、拡散している。
また「アリゾナ州で行われた選挙不正を告発する」という内容の、偽のインタビュー動画も拡散している。偽の在外投票用紙を作成し、投票者名簿を変更して、カマラ・ハリスを有利に導いたという内容だが、この動画も虚偽のものだとアリゾナ州務長官が確認している。

・イランの脅威
イランの影響工作も、依然として米国の選挙に対する大きな脅威である。これまでの同国が米国の選挙に行ってきた行動から考えるに、サイバー攻撃や偽のメディアコンテンツの作成を行う可能性も考えられる。
また、2020年1月にイスラム革命防衛隊のソレイマニ司令官が死亡したことについて、イランは一部の元米政府高官に責任があると考えており、その報復で優先される標的としてドナルド・トランプを何度も挙げている。

そして警告は、以下のように続いている。

・海外の敵対者が続けている影響工作や、オンライン上の偽のコンテンツが増加していることを踏まえ、CISAは有権者に対して「州や地方の選挙管理当局など、信頼できる公式の情報源から情報を入手すること」を推奨する

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