ロシアの偽情報工作員がトランプ勝利を祝福
NewsGuard’s Reality Checkは2024年11月6日、Russian Disinformation Operators Congratulate Themselves on Trump Victoryと題された記事を投稿した。ロシアの偽情報工作員として名を知られている三人の人物が、米大統領選挙のトランプの勝利を喜んでいる様子が掲載されている。
ここで登場する三人については、以前にお伝えした記事『米選挙に干渉するStorm-1516とR-FBIの関係』を参照していただきたい。
おさらい:米選挙とロシアの偽情報活動
ロシアの工作員たちは2024年の米国選挙が行われるまでの間、ディープフェイク、AI生成の動画、地元の報道機関を装った偽のニュース、偽の調査結果、やらせ映像などの手法で偽のナラティブを伝えてきた。中でも、ジョン・マーク・ドゥーガン(John Mark Dougan)が関わった偽情報作戦では、ハリス陣営を標的とし、「カマラ・ハリスはコカイン中毒だった」「ティム・ウォルツは高校教師時代に生徒を性虐待した」など、多種多様なナラティブが拡散された。
選挙直前と選挙直後の変化
そして米国選挙直前の数日間、ロシアのメディアはトランプ支持を煽るための虚偽の情報を報じた。たとえば「ペンシルベニア州でトランプに投票した投票用紙が破棄されているシーン」を撮影したという偽映像や、「ハイチから来た移民がジョージア州で不正投票をしている」といった内容のフェイクニュースなどだ。
しかし11月5日にトランプの勝利が宣言されたとたん、これらの偽情報活動の拡散は行われなくなり、トランプの勝利を祝福する内容へ急激に方針転換した、とNewsGuardは伝えている。
「著名な工作員」たちの反応
・ジョン・マーク・ドゥーガン(John Mark Dougan)
ドゥーガンは、雪が降るモスクワの路上で次のように語る自身の動画をシェアした。
「トランプが再選されたことをロシアに発表しよう。ロシアはまだ知らないから……トランプは勝った!」
しかし前日の彼は「2020年の選挙は盗まれたものだ。同じことがまた起こるだろう」とも語っていた。
・タラ・リード(Tara Reid)
彼女はXの投稿で次のように語っている。
「私は今日、同胞の米国人を強く誇りに思います。皆さんは耳を傾けて、腐敗を排除するために投票しました。バイデンに正義がもたらされたことはありませんでしたが、今度こそ平和が訪れるかもしれません」
・シメオン・ボイコフ(Simeon boikov)
彼はTelegramの投稿で、自分が「文字通りの意味で、トランプとイーロンが公職に就くように手助けをした」ことを誇りに思っていると述べた。