機密文書公開でロシアの干渉、ルーマニア極右候補の問題活動露見
ルーマニアの大統領選の第1回投票で極右の親ロのジョルジェスク候補がおおかたの予想を裏切ってトップに躍り出たことと、その背景などは以前の記事でご説明した。ジョルジェスクの躍進がTikTokによるものであったことからTikTokに対する批判が強まった。こうした批判に対し、TikTokはルーマニアの選挙に干渉しようとしていた数万の不正アカウントを含む複数のネットワークを削除したと発表し、95人のルーマニア話者のモデレータを配備し、ファクトチェックグループと連携、多数のルーマニア当局と会合を持ったと語った。しかし、ルーマニアの議員たちは納得していない。
その後、第2回の投票を目前に機密文書が公開された。この文書は第1回の投票直後に開催されたルーマニアの安全保障会議に提出されたものだ。文書によると、ルーマニアはロシアのハイブリッド攻撃の優先的なターゲットにされており、TikTok上で選挙活動という表記なしのペイド・コンテンツが掲載(TikTokの規約とルーマニアの法律に違反)されていたり、ジョルジェスクを支援するTikTok利用者たちに381,000ドル(約5,700万円)が支払われたこと、ロシアのサイバー攻撃によって選挙関連のWEBサイトからアクセスデータがネット上にさらされたこと、そしておよそ85,000件の選挙関連データの盗難やコンテンツ改竄などを目的としたサイバー攻撃が行われたことなどが記載されている。
ジョルジェスク候補は、機密文書について、自分を陥れるための陰謀だ、と否定している。ロシアも干渉については否定している。