ルーマニア憲法裁判所が大統領選のやり直しを命じる
ルーマニアの大統領選で注目されていなかった極右候補の大躍進という波乱が起きていることはすでにお伝えした。憲法裁判所は当初第1回の投票結果を問題なしとみなしていたが、その後ロシアからの干渉などが機密文書の公開で暴かれたことで今回の決定となった。
すべての選挙プロセスをやり直すことになるため、やり直しの選挙は来年3月に実施される見込みだ。12月21日に現在の大統領の任期は切れるため、国内の混乱が予想されている。
この決定を受けて米シンクタンクの大西洋評議会は論考を公開した。憲法裁判所は、「候補者が選挙運動において法律を回避し、不当な宣伝から利益を得たため、投票の信頼性が損なわれた」としている。しかし、論考によれば暴かれた行為のほとんどは現行の選挙法の範囲では合法とされている。一部、インフルエンサーへの謝礼支払いなどは選挙法に従った開示を行っていないなど問題がありそうなものはあるらしい。
ルーマニア国内では賛否両論があり、混乱が予想されている。
大西洋評議会の論考には複数の専門家が意見を寄せていたが、多くは選挙のやり直しを「ルーマニアの民主主義の強靱さ」を示すものと受け止めていた。