テクノロジー界の大物たちが、トランプの就任基金に多額の寄付

  • URLをコピーしました!

大手テクノロジー業界のリーダーたちが、トランプ次期大統領の就任基金への寄付を続々と行っている。なるべく規制を避けてビジネスを拡大したい彼らは、次期トランプ政権との良好な関係を求めているようだ。

まずInstagramとFacebookの親会社にあたるMetaは、すでに就任資金に100万ドルの寄付を行ったことを各メディアが伝えている。それに続く形でOpenAIのCEO、サム・アルトマンも100万ドルを個人献金するとの意向を示しており、さらにAmazonのCEOジェフ・ベゾスも、同じ基金へ100万ドルの寄付を行うと約束している。GoogleのCEO、サンダー・ピチャイも、近々トランプとの会合を持つことを予定している。SalesforceのCEOマーク・ベニオフも「ページをめくる」という表現を使って、トランプとの関係を改善したいという意向を示している。

これらのテクノロジー企業や幹部たちの多くは過去にトランプと対立する関係だったが、いまでは一斉に方向転換を図っているようだ

たとえばザッカーバーグは2021年、米連邦議会議事堂襲撃事件が発生したことを受けてトランプのFacebookアカウントを凍結した。しかし2023年の序盤には、そのアカウントを復活させている。さらにトランプが次期大統領に当選した今年11月には、マールアラーゴに招かれて会食をしたことが報じられた。

ベゾスも長きにわたってトランプと険悪な状態だったことで知られる一人だ。トランプ政権の第一期では、ベゾスがトランプを批判し、トランプがThe Washington Post(すでにベゾスが買収していた)やAmazonを批判するという対峙が何度も見られた。そのベゾスもトランプの二度目の当選が決まった際、すみやかに祝辞を発表している。

米ワシントン大学でシリコンバレーの歴史を研究しているマーガレット・オマラ教授は、これらの寄付について「『反対意見を述べることで得られるものは少ないが、支持を明確にすれば得られるものがある』という、この業界全体の認識がもたらしたものだ」と指摘している。なかなか痛烈な指摘にも聞こえるが、これらの企業は人工知能や暗号通貨などの分野と直接的に関わっている。できるかぎり規制を避けながらビジネスを拡大するには、トランプとの良好な関係を望まずにいられないのだろう

またサム・アルトマンは「OpenAIのCEOとしてイーロン・マスクと法的に対立している」という立場であるのと同時に、トランプ政権下のAI政策が導入する規制についても大いに案じている立場だ。「新政権におけるマスクの影響力」を警戒せざるを得ない彼にとって、100万ドルの個人献金はトランプへの支持を示す絶好の機会なのかもしれない。

各メディアの報道
https://www.npr.org/2024/12/13/nx-s1-5227874/trump-bezos-zuckerberg-amazon-facebook-open-ai-meta-inauguration-fund
https://www.wsj.com/politics/elections/jeff-bezos-amazon-plans-to-donate-1-million-to-trumps-inauguration-dc3705ac
https://www.cbsnews.com/news/trump-tech-ceos-meta-amazon-donate-millions-inauguration/
https://www.cnn.com/2024/12/11/tech/meta-trump-donation-hnk-intl/index.html
https://www.cnbc.com/2024/12/13/tech-companies-most-threatened-by-trump-donating-to-inauguration-fund.html

よかったらシェアお願いします
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次