ドイツ選挙へのロシアの干渉が暴露

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ドイツの選挙にロシアが干渉していることが、米NewsGuardと独調査報道機関Correctiveの調査で明らかになった。

両社のレポートによると、干渉を行っているのはStorm-1516に所属しているジョン・マーク・ドゥーガン。GRUから報酬を受け取っている疑惑もある。アメリカからロシアに亡命し、NewsGuardはわざわざ情報保管庫を作るくらい精力的にプロパガンダ活動を行っている。

今回の作戦は102のWEBサイトで構成され、ドイツの地方紙や全国紙を模倣していた。中にはすでに廃刊となったものの模倣もあった。WEBサイトは2024年7月から登録されていたが、顕著に増加し始めたのはオルフ・ショルツ首相がドイツの連立政権の解散を発表した2024年11月からだ。
コンテンツは他のサイトの記事をAIが書き換えたものであり、ドイツの極右政党AfD、オーストリアのFPO、イーロン・マスクについて肯定的に扱い、緑の党などを否定的に扱っていた。緑の党の性的虐待、ドイツの外相の男性買春、190万人のケニア人を労働力として招く、といった偽情報も流布していた。
これらの偽情報はいったんケニアのニュースサイトにスポンサー料を支払ってPR記事として掲載し、その後、そこを出典とすることで情報ロンダリングしていた。

同じくロシアが行っているドッペルゲンガーと異なり、Storm-1516が関与しているこれらの偽情報は親ロシア派のドイツのインフルエンサーによって拡散されており、効果的にリーチを拡大しているため、ドッペルゲンガーよりも効果が出ている可能性があるという。ドイツのインフルエンサーが報酬を得ているかは不明である。

次のドイツ選挙にはロシアの干渉に加えて、イーロン・マスクの干渉もある。2016年の米大統領選なみの衝撃が待っているかもしれない。

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この記事を書いた人

複数のIT企業の経営にたずさわった後、2011年にカナダの永住権を取得しバンクーバーに移住。同時に小説家としてデビュー。リアルに起こり得るサイバー犯罪をテーマにした小説とネット世論操作に関する著作や評論を多数発表。代表作として『原発サイバートラップ』(集英社)、『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』(集英社)、『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』(角川新書)、『ネット世論操作とデジタル影響工作』(原書房)など。
10年間の執筆活動で40タイトル刊行した後、デジタル影響工作、認知戦などに関わる調査を行うようになる。
プロフィール https://ichida-kazuki.com
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