欧州外交評議会調査 世界はトランプを歓迎し、EUは孤立

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トランプ当選直後に、欧州外交評議会(ECFR)が世界24カ国の28,549人を対象に世論調査を公開した。残念ながら日本は対象となっておらず、代わりに韓国が対象となっている。レポートでは大きく4つの傾向があげられている。

1.多くの国でトランプ当選は歓迎されており、例外はヨーロッパと韓国
インド、中国、トルコ、ブラジルでは、トランプ氏がアメリカにとって、自国にとって、そして世界の平和にとってよい影響をもたらすだろうと考える回答者の数が、悪い影響をもたらすだろうと考える回答者の数を上回っていた。
一方、アメリカを同盟国と見なしていると答えたヨーロッパ人はわずか5人に1人で2年前の調査から大幅に減少した。

2.トランプのアメリカを多元化した世界の大国のひとつとして見ている
グローバルサウスの多くは、トランプ氏の勝利を朗報と捉えている傾向が見て取れる。だからといって、「米国を再び偉大に(Making America Great Again)」が実現するとは考えていない。中国が同等の競争力を持つことを期待している。
ウクライナへのロシアの全面侵攻後、民主主義を標榜するグローバルノースがロシアを孤立させることに失敗し、自身の弱体化をさらすこととなった。そのせいで多くの国々がロシアを同盟国または必要なパートナーとして受け入れる傾向が顕著に強まっている。多くの国はもはやロシアを非難していないのだ。
さらに、中国、インド、サウジアラビア、南アフリカ、トルコといったグローバルサウスでは、今後ロシアの世界的な影響力が拡大すると考える人が多数を占め、ブラジルとインドネシアでもほぼ半数の国民が同じ意見を持っていた。

3.トランプがウクライナと中東の戦争を終わらせると考えている人が多い
回答者の多くはトランプを平和主義者と考えており、ウクライナや中東の問題によい影響をもたらすと考えている。

4.EUはEU自身が考えているよりも影響力があると他の国の人々は感じている
トランプ大統領の再選により、ヨーロッパは分裂した。分裂は国家間だけでなく、ヨーロッパのすべての国がトランプを巡って分裂している。

総じてヨーロッパ、EUは孤立し、影響力を下げる可能性が高いものの、改善するための提案がいくつかあげられている。

日本国内の反応はどちらかというと、韓国に近いのかもしれない。ただ、トランプを歓迎する声もよく見るので、韓国よりもトランプを歓迎しているかもしれない。これからの世界は、アメリカ、中国、ロシアという3つの国を軸に展開することになりそうだ。
ただ、今回も2023年も日本は調査対象ではなかったことは、日本が外交上のキイとなるアクターではなく、傍観者あるいは追随者となっていることを示唆しているのかもしれない。

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