DeepSeek NewsGuard社のテストで最悪に近い結果

DeepSeekのAIチャットボットは、NewsGuard社は同社が定期的に主要チャットボットに対して行っているテストで非正答率(誤答もしくは、正しい答えを返せない割合)83%となり、テスト対象の主要チャットボット11のうち10位という結果だったと2025年1月29日に発表した。
続く1月30日は、DeepSeekは中国、ロシア、イランの偽・誤情報について中国政府の視点での回答を返しているDeepSeekのAIチャットボットを、「Disinformation Machine」と評した。
ニュースや社会問題に関するテスト項目で問題となる答えを返すことが多く、いずれも中国政府にとって正しいと思われる答えを返している。おおげさに言うと、民主主義国家においては「真実の裁定者」は国民であり、人権など民主主義的価値観が重要とされる。これに対して非民主主義国における「真実の裁定者」は独裁者や国家の最高権威であり、人権など民主主義的価値観は必ずしも重要とはされない。デジタル影響工作研究の草分けであるサミュエル・ウーリーは、あらゆるシステムには必ず開発者やその組織のイデオロギーが反映されている、と指摘したが、その通りだ。AIも例外ではない。特にもっとも身近なチャットボットやエージェントをどのモデルが担うことになるかによって、人間社会のイデオロギーも大きく変わる可能性がある。