カナダ選挙にボットによる海外からの干渉

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昨日、投票日を迎えたカナダの選挙において、海外からボットを用いた干渉があった可能性が指摘されている。今回の選挙戦での干渉についてはすでに記事で紹介しているが、引き続きボットらしきものを用いた干渉があった可能性をデジタルフォレンジック・リサーチ・ラボ(DFRLab)がレポートした。

Bot-like activity targets Canadian political parties and their leaders ahead of election
https://dfrlab.org/2025/04/25/bot-like-activity-targets-canadian-political-parties-and-their-leaders-ahead-of-election/

DFRLabは2025年1月1日から4月17日の間のXの投稿3,507件の投稿を取得し、そのうち3,000件の投稿に対する420万件のリポスト、リプライ、引用を特定し、そのうち240万件をサンプルとして分析した。ボットの可能性の高い65アカウントを絞り込んだ。これらのアカウントは自由党を主なターゲットにしていた。また、リプライ文章の特徴からAIが生成した可能性を指摘している。

今回のレポートの内容は前回のSecurity and Intelligence Threats to Elections (SITE)によるものとひとつ大きな違いがある。それは今回は正しい影響の評価を行っていないことである。アメリカやEUのレポートの多く(そして日本も)は影響の可能性を指摘し、検証されていない脅威を主張することが多いので注意が必要である。


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この記事を書いた人

複数のIT企業の経営にたずさわった後、2011年にカナダの永住権を取得しバンクーバーに移住。同時に小説家としてデビュー。リアルに起こり得るサイバー犯罪をテーマにした小説とネット世論操作に関する著作や評論を多数発表。代表作として『原発サイバートラップ』(集英社)、『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』(集英社)、『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』(角川新書)、『ネット世論操作とデジタル影響工作』(原書房)など。
10年間の執筆活動で40タイトル刊行した後、デジタル影響工作、認知戦などに関わる調査を行うようになる。
プロフィール https://ichida-kazuki.com
ニューズウィーク日本版コラム https://www.newsweekjapan.jp/ichida/
note https://note.com/ichi_twnovel
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