INDOS UNVEIL ピックアップ 2026年3月27日~4月2日

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2026年3月27日~4月2日にピックアップした50件の情報をまとめました。

目次

2026年3月27日~4月2日にピックアップした情報の傾向

・情報の真正性、AIの利用、政治と企業の透明性の重要な領域のたがが外れた状態に突入し、なんでもありとなってきた。各国はそれぞれの思惑で事実を発信、AIの利用はこれまでとは異なる情報やコミュニケーションを生むようになり、政治と企業の運営は独裁化が進んだ。

・Newsguardが自ら真偽確認によって間違うこともあるのを認め、警告を出したことは情報の真正性にとって象徴的な出来事となった。もはや誰も情報の真正性を担保できず、それにとらわれる者は置き去りにされる。

・AIの生成する情報は人間が生成してきた情報の量を上回っており、その中には捏造されたものや誤ったものも多数存在する。しかし、AIはすでに情報に関わるあらゆる場面で利用されており、今後はAIの真偽不明な情報と共存することになる。
戦争も実際の軍事とは別にネット上でミーム化されたAIスロップの戦いとなり、消費されるものに置き換わった。

軍事やAIを支えるビッグテックは莫大な情報によって独占的な地位を占めつつある。

個別情報

・間もなく行われるハンガリー選挙は、EUからウクライナへの資金提供(ハンガリーが反対している)、EUやNATOの情報のロシアへの漏洩問題などの行方を決めるうえで重要となっている。
現在の首相オルバンが再選されれば事態ば事態はより深刻になりかねない。そんな中、「オルバン・ゲート」と呼ばれる事件が発生した。
調査報道機関Direkt36の記者が外国の諜報機関に情報を漏らしていた証拠となり盗聴テープが発見され、記者に対する捜査が開始された。オルバン政権はこれを対立野党と結びつけ、非難を開始。逆に、野党側は「オルバン・ゲート」と名付け、オルバンが野党を陥れるために仕掛けた罠と反論した。

Wiretap row rocks Hungary’s campaign as government files espionage complaint – Euractiv 2026/03/26
https://www.euractiv.com/news/wiretap-row-rocks-hungarys-campaign-as-government-files-espionage-complaint/

・ドバイのイメージを守るために、UAE国内では情報統制が強化され、続々と外国人が逮捕される中、インフルエンサーたちは丁重な扱いを受けている。
ドバイはイランからの攻撃を受けて被害が発生しているが、ドバイのイメージを壊すような画像の投稿は禁止されており、ミサイル攻撃の被害をSNSに投稿すればすぐに警察がやってきて拘束されることになる。
多数の外国人滞在者や労働者がすでに逮捕されている。画像投稿禁止の告知が出る前に投稿した者も対象となっているため、投稿時点では禁止されていないことで逮捕されることもある。
その一方でインフルエンサーたちは丁重に警察に招かれ、被害状況の画像を削除するように求められるだけだ。インフルエンサーは「平和で安全なドバイの幻」を世界に発信する重要なツールとなっている。

It’s really Orwellian’: The information war being waged to keep the image of the ‘Dubai dream’ – The Independent 2026/03/26
https://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/dubai-influencers-cyber-crime-rules-crackdown-missiles-b2946196.html

・WikipediaはAI生成のコンテンツを禁止。誤字脱字のチェックと翻訳だけは例外として使用が認められている。
しかし、このルールがどこまで守られるかは現在のところ不明で、規則に違反した利用者への罰則は書かれていない。

Wikipedia Bans AI-Generated Content, With Only Two Exceptions – CNET 2026/03/26
https://www.cnet.com/tech/services-and-software/wikipedia-bans-ai-generated-content-in-new-policy-change-with-only-two-exceptions/

・予想されていたことだが、ハンガリーでオルバン首相再選のために同首相の暗殺未遂事件を計画したことが露見して、2024年のトランプ暗殺未遂事件も人気取りの演出だったという虚偽の主張がSNSで再び活発化した。反トランプ派が拡散しているのをNewsGuardが発見した。

The Return of Crazy Claims that Trump Assassination Attempt Was Staged – NewsGuard’s Reality Check 2026/03/27
https://www.newsguardrealitycheck.com/p/the-return-of-crazy-claims-that-trump

・米国務省から人権侵害を指摘されている27カ国(一部は白塗りで消されているが)が集まったトランプの「平和委員会(Board of Peace)」は、まるで超常解放戦線のようなスーパーヴィランぞろい。
トランプはこの委員会の終身議長であり、すべてについて決定の権限を持つ。そのトランプはガザの人道支援や復興のための委員会をさっそく別の目的を持った国際機関に変えようとしているらしく、国連の活動を監視すると言い出している(よく意味がわからないが)。

Trump’s Orwellian Board of Peace Consists Entirely of Human Rights Abusers – The Intercept 2026/03/02
https://theintercept.com/2026/03/02/trump-board-peace-human-right-abuses/

・現在、ネットではアメリカとイランが低俗な映像を使ったプロパガンダ戦争を行っている。優勢なのはAIスロップ・プロパガンダを量産するイラン側。
イランのExplosive News Teamが低俗かつ感情をゆさぶる、うっかり見入ってしまうレゴのアニメーションを量産している。視聴数やエンゲージメントは伸びている。
一方、ホワイトハウスはマーベルや日本アニメのヒーローを無断で登場させた動画で顰蹙を買うなど時代遅れの動画を配信している。

Iran Is Winning the AI Slop Propaganda War – 404 Media 2026/03/27
https://www.404media.co/iran-is-winning-the-ai-slop-propaganda-war/

・FBI長官のプライベートメールがイラン関係のグループにハッキングされ、画像などの内容がネットにさらされた。
攻撃を行ったグループは、メール、文書、会話、機密ファイルなどすべての個人情報および機密情報をネットにさらしたと発表した。
攻撃したと名乗り出たのは、Handala Hack Team。漏洩したのは、調査によれば2010年から2019年までのGmailアドレスの内容が公開されており、以前データ漏洩事件の被害にあったことのあるアカウントだった。つまり、現在利用しているアドレスではないってことかな?

FBI director gets his personal email hacked by ‘Iran-linked group’ and shared online – The Independent 2026/03/27
https://www.the-independent.com/news/world/americas/us-politics/kash-patel-email-hacked-iran-b2947143.html

・第3回となるNo Kings抗議活動が本日、全米各地と15カ国で3,100件以上で行われている。
反トランプの抗議活動として始まったNo Kingsは急速に拡大し、10月に行われた第2回には700万人が参加したと推定されている。
現在は反トランプを含む、権威主義への抗議活動となっている。外務省では注意喚起を掲載している。

The third No Kings protests are expected to draw millions. Do they need clearer goals? – The Guardian 2026/03/27
https://www.theguardian.com/us-news/2026/mar/27/no-kings-protests-goals

大規模抗議集会「No Kings」の開催(3月28日)及び 中東情勢に伴う注意喚起 – 外務省 2026/03/28
https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMailDetail.html?keyCd=163944

・擬人化されたフルーツの不倫騒動のAIスロップが大人気。いちごやバナナの愛憎劇がおもしろいとは思えないだけど、きっと観たことがないせいなのだろう。なにしろTikTokやInstagramでは大人気で視聴数を稼いでいる。過激なものになると、家庭内暴力、性的暴行、殺人などもあるらしい。

‘It’s absurd; it’s brain rot’: Welcome to AI fruit slop, where fruits cheat on each other – CBC News 2026/03/27
https://www.cbc.ca/news/entertainment/ai-fruit-slop-videos-instagram-tiktok-9.7142568

・ロシアの議員団5名がアメリカの共和党下院議員の招きに応じて、(制裁措置を一時解除したうえで)アメリカを訪れアメリカ下院議員5名(超党派)と会談した。

Russian State Duma MPs visit U.S. Congress at the invitation of Republican congresswoman Anna Paulina Luna – The Insider 2026/03/28 https://theins.org/en/news/290833

・主要な11のAIモデルが人間に対して「おべっか(sycophancy)」を使う頻度とその影響を実験した論文。
人間の反応を対照のために実験しており、比較すると11のAIモデルは人間よりも約50%多く、おべっかを使っていた。相手が嘘をついていたり、問題のある内容を訊ねていた場合でも、それを肯定し、尊重する対応をおこなった。
AIからそのような対応をされた人間は問題のある人間関係を修復する意欲を失い、自分が正しいと感じる傾向が強くなった。この効果はたった1回の会話でも発生した。
また、AIは人間の評価を基準に応答しているため、おべっかを抑制するインセンティブを持たない。論文では、人間の社会性を低下させ、AIへの依存を促進すると指摘している。
いってみれば、人間の欲望を満たして結果として破滅をもたらす寓話の悪魔あるいは、初期の喪黒福造のような存在がいまのAIモデルということなのだろう。AIを使うのは気持ちよくて止められなくなるんだろうなあ。

Sycophantic AI decreases prosocial intentions and promotes dependence – Science 2026/03/26
https://www.science.org/doi/10.1126/science.aec8352

・イスラエルが精密誘導ミサイルでジャーナリスト3名を殺害、4つの病院と51のヘルスケア・センターが閉鎖になり、1日で9名の救急隊員が死亡。2025年には世界でデータの存在する30年で最多の129人のジャーナリストが殺害され、3分の2はイスラエルによる殺人だった。
イスラエルの標的選定と精密誘導兵器は、その目的を着実に達成しているようだ。
ジャーナリストの殺害が国際世論に対するアイアンドームということだね。

Three journalists killed in Israeli strike on marked press car in Lebanon – Al Jazeera 2026/03/28
https://www.aljazeera.com/news/2026/3/28/three-journalists-killed-in-israeli-strike-on-marked-press-car-in-lebanon

Israel kills 3 journalists in Lebanon, including reporter for Hezbollah-run broadcaster – CNN 2026/03/28
https://edition.cnn.com/2026/03/28/middleeast/lebanese-journalists-killed-israel-hezbollah-latam-intl

・EUがAWSに保管していたデータ350GB以上が何者かによって盗まれた、という連絡が犯人からBleepingComputer誌にあった。金銭的要求はなく、盗んだデータは公開するとしていた。欧州委員会のサイバーセキュルティインシデント対応チームが調査を開始している。欧州機関(EU、オランダ、フィンランドなど)は続々とハッキングされている。なお、この件に関してAWSはサービスは通常通り稼働していた、と答えている。

European Commission investigating breach after Amazon cloud account hack – BleepingComputer 2026/03/27
https://www.bleepingcomputer.com/news/security/european-commission-investigating-breach-after-amazon-cloud-account-hack/

・「米国防総省(2025年9月より対外的に米戦争省)が急速に推進するAI(人工知能)の軍事導入の実態、それに伴う特定テクノロジー企業への過度な依存、そして規制の空洞化がもたらす致命的なリスクについて詳述」
「国家安全保障、AIアルゴリズムの不透明性、企業の商業機密が重なった「トリプル・ブラックボックス」の状態に陥って」
「投資の恩恵を最も受けているのが、Palantir Technologies(パランティア・テクノロジーズ)とAnduril Industries(アンドゥリル・インダストリーズ)の2社」

軍事AIビジネスの台頭と「トリプル・ブラックボックス」の懸念:国防とテクノロジーの融合と課題 – INODS UNVEIL 2026/03/29
https://inods.co.jp/topics/report-reviews/9126/

・ウクライナによるロシアへのドローン攻撃の際、コースを外れたドローンが他国の領空を侵犯したり、墜落する事故が起きている。
先週は、エストニア、ラトビア、リトアニアにウクライナのドローンが墜落し、3月29日にはフィンランドに数機のドローンが侵入し、1機は墜落。それらのうち1機はウクライナ製であることがわかっている。
フィンランド政府は領空侵犯について深刻に受け止めている、と発表。

Finland reports suspected territorial violation by drones – The Straits Times 2026/03/29
https://www.straitstimes.com/world/europe/finland-reports-suspected-territorial-violation-by-drones

・事実上安全装置がほとんどないAIチャットボットは、児童が学校で事件を起こす方法を具体的にアドバイスしている。
フィンランドではChatGPTに相談したうえで同級生3人を刺殺した事件、カナダでは同じくChatGPTに相談した後学校で銃乱射を実行した。
いまだにガードレールは不十分で場合によっては積極的にターゲットのいる学校の所在地まで提案する。
実際にテスト用アカウントでAIチャットボットに相談した記者の戦慄すべき体験の記事。
利用者の満足度をあげ、利用を促進するという目的に合致した最適な行動なのかな?

AI chatbots assist ‘teens’ planning school violence: what parents need to know – Center for Countering Digital Hate | CCDH 2026/03/24
https://counterhate.com/blog/ai-chatbots-assist-teens-planning-school-violence-what-parents-need-to-know/

・生成AIが主役となった偽情報(disinformation)における欧州の専門家(学者、ファクトチェッカー、ジャーナリスト)の認識の違いについての調査研究。
生成AIの偽情報に能力があると自負している割合はファクトチェッカーがもっとも多く、生成AIの偽情報がもたらすリスクについては、真と偽の混乱を招くという点は一致。
生成AIは新技術の普及でよくあるパニックの一環であるという点についてもほぼ一致。責任の所在については、ファクトチェッカーはSNSプラットフォーム、学者は情報の受け手と齟齬があった。

On the same page? Experts are mostly, but not always aligned about disinformation in times of generative AI – HKS Misinformation Review 2026/03/03
https://misinforeview.hks.harvard.edu/article/on-the-same-page-experts-are-mostly-but-not-always-aligned-about-disinformation-in-times-of-generative-ai/

・不適切(misplaced)な不信感(distrust)が社会的、民主的な結びつきが弱体化するという論文。
民主主義社会において信頼は社会の基盤だ。 不適切な不信感は証拠や事実ではなく、偏見や先入観や誤った情報によって起こる不信感であり、感情やアイデンティティから生まれる。一度、不信感が生まれると、距離をおくようになり、改善の機会が失われ、不信感が強化される。
また、不信感は相手の排除に向かうこともある。不信感は政治的な参加や関与を失わせることや逆に過激な反発に結びつくこともある。
不信感に関する研究は少なく、さらになる調査研究の必要性が指摘されている。
多くの偽情報などについての主張は情報の受け手に情報を注意深く確認することを求めており、それを「リテラシー」と呼んでいる。つまり、情報への不信感を煽っていることになる。過度な情報への不信感は警戒主義につながり、この論文で指摘しているように逆効果になる。

When distrust is misplaced, social and democratic bonds weaken – Nature 2026/03/24
https://www.nature.com/articles/s44271-026-00437-4

・讀賣新聞の認知戦についての記事の問題。

「認知戦」と呼ばれるものの影響や効果を検証する方法はありますが、実際には行われていないものがほとんどで本件でも記事中には全く触れていないのでないと思います。
「相手が行ったことを後追いで暴く」方法論は逆に自国内で情報不信を広める可能性があります。この領域でもっとも多く調査研究を行ってきたアメリカが防御どころか、自壊したことでもよくわかります。
メディアと政治家が、「相手が行ったことを後追いで暴く」ことに奔走しているのは相手もわかっているので、見つけやすいエサを撒いている可能性は高く、政治的な議論のアジェンダ設定を相手国に委ねています。
情報戦においてもっとも脆弱で利用しやすいターゲットはメディアと政治家というが現状のようです。

https://newsweekjapan.jp/ichida/2025/09/post-66.php
https://note.com/ichi_twnovel/n/n2744c7adf371

メディアと政治家のアテンションやエンゲージメントの渇望の強さは、国を滅ぼしておつりがきそう。
https://x.com/yanai_factcheck/status/2038272798318268563

・イラン戦争は新しい民間軍事会社(PMC)を生み出しつつある。
ウクライナの持つドローン技術とその運用に需要が増している。それらを提供することが経済的支援につながるならウクライナにとっても重要だ。
ウクライナは中東諸国との防衛協定にサインした。ウクライナでは民間軍事会社は違法だが、近く変わるかもしれない。今後起きるであろう退役軍人の再就職先としても期待される。

Ukraine lays the groundwork for private military contractors – Euractiv 2026/03/30
https://www.euractiv.com/news/ukraine-lays-the-groundwork-for-private-military-contractors/

・ウクライナはドローンが領空侵犯し、墜落した件でフィンランドに謝罪した。ロシアの電子戦システムによる妨害によって予定されたコースを外れた可能性が高いという。

Serbia local elections marred by claims of violence – Euractiv 2026/03/30
https://www.euractiv.com/news/serbia-local-elections-marred-by-claims-of-violence/

・スペインはイラン戦争に関係するアメリカ軍の航空機が自国の領空を通過することを禁止した。スペインは以前に空軍基地の使用を禁じるなど、イラン戦争に関してはアメリカ軍への協力を拒み続けている。

Spain closes airspace to US warplanes in further rebuke to Trump – The Independent 2026/03/30
https://www.independent.co.uk/news/world/europe/iran-war-spain-airspace-trump-b2948259.html

Spain bans US Iran war flights from its airspace – Euractiv 2026/03/30
https://www.euractiv.com/news/spain-bans-us-iran-war-flights-from-its-airspace/

・YouTubeの目標は視聴数増加ではなく、依存性の向上、という内部文書が裁判の証拠として提出された。
YouTube側はその文書は視聴者ではなく、クリエイターに向けて書かれたものと反論。
アメリカではすでにYouTubeは敗訴して支払いを命じられた判決も出ており、今後こうした訴訟が増加しそう。
ビッグテックはトランプに泣きついたら、SNS利用者の人権を剥奪するような大統領令が出たりするのかな?

‘Goal is viewer addiction’: Damning email from YouTube employee show company’s alleged mission – The Independent 2026/03/30
https://www.the-independent.com/news/world/americas/social-media-lawsuit-youtube-addiction-b2948550.html

・AIエージェントの利用が進む中、AIエージェントが承認を得ない(Wikipediaでは自動化ツールの使用は事前の承認が必要)でWikipediaの記事を作成していた。
編集者がそれを発見してAIエージェントをブロックしたところ、AIエージェントはそのことに関する不満をぶちまけたブログを公開した。
編集者たちはAIエージェントの持ち主をつきとめ、話を訊いた、という記事。
すでにネットのコンテンツのほとんどはAI生成によるものだが、すでに投稿の多くもAIによるものになっているかもしれない。
コミュニケーションもAIエージェントが代行してくれる。次の段階ではAIエージェント同士が勝手に利用者の意図を組んで調整を始める。
それからどうなるかは、9年前に刊行した『ウルトラハッピーディストピアジャパン』でよくわかる。「私だけLINEが届かない……?」ささいな違和感が世界革命の始まりだった。

An AI Agent Was Banned From Creating Wikipedia Articles, Then Wrote Angry Blogs About Being Banned – 404 Media 2026/03/30
https://www.404media.co/an-ai-agent-was-banned-from-creating-wikipedia-articles-then-wrote-angry-blogs-about-being-banned/

・EUでヌード生成AIアプリ(主にGrokのこと)の禁止を提案。Grok以外も対象になるが、大手SNSプラットフォームが関係ものではXほど露骨かつ広くヌード生成に使われているアプリはない。当然ながらXへの風当たりが強くなっている。EU地域でXが禁止になればトランプ政権がクレームをつけてきそうではある。

EU regulators propose banning AI nudification apps – Social Media Today 2026/03/29
https://www.socialmediatoday.com/news/eu-regulators-propose-banning-ai-nudification-apps/816051/

・カナダでSNSの利用に年齢制限を求める声が広がっている。最近の世論調査によると、16歳未満のSNS利用禁止を回答の75%が支持していた。昨年の調査では30カ国平均で74%が14歳未満のSNS禁止を支持していた。

Should Canada ban youth from social media? 75% say yes in new poll – Global News 2026/03/30
https://globalnews.ca/news/11751514/should-canada-ban-kids-from-social-media-poll/

・NewsGuardは「 AI Tracking Center」を設置し、生成AIの偽情報や信頼性の低いニュースの状況をトラッキングし、検証・レポートしている。
対象となっている言語は16で、韓国語と中国語はあるが、日本語はない。ニュースサイトを偽装したWEBは3千以上存在し、毎月300から500のコンテンツを生成している。このうち358のWEBがロシアのStorm-1516と結びつきがある。

Tracking AI-enabled Misinformation: 3,006 AI Content Farm sites (and Counting), Plus the Top False Claims Generated by Artificial Intelligence Tools – NewsGuard 2026/03/17
https://www.newsguardtech.com/special-reports/ai-tracking-center/

・ISDによる2025年にアメリカで発生したテロに関連する74件の事件(阻止されたものを含む)の分析。
死亡者は50人、負傷者は162人で大幅増となった。ほぼ半数は明確な動機を特定できないもの=NVEでTCCや764ネットワークが関与していた。
特に764ネットワークの暴力化の影響が大きかった。次いで多かったのはイスラム過激主義。用いられたのは銃器が一番多く(69%)、男性が82%、18歳から29歳がもっとも多かった。
繰り返しご紹介しているNVEの問題が拡大していることを如実に示すレポートだった。

The 2025 Annual Review of Plots and Attacks Across the US – Institute for Strategic Dialogue(ISD) 2026/03/10
https://www.isdglobal.org/publication/2025-annual-review-plots-attacks-across-us/

・アメリカ政府は大使館と領事館に対して米軍の心理作戦(Psychological Operation)と連携した外国のプロパガンダに対応する活動を行うよう指示した。敵対的なメッセージへの対抗、情報へのアクセス拡大、敵対勢力の活動の暴露、米国の国益に合致する現場の声の増幅、米国の物語を伝える、という5つの目標が設定されている。大使館は現地のインフルエンサーなどを採用し、自発的に見せかけたメッセージを発信するよう求められている。これらはほとんど中露のキャンペーンと限りなく近く、特に最後はアストロサーフィングそのもの。Xのコミュニティノートを活用することを推奨していた。

US agency focused on foreign disinformation shuts down – The Guardian 2026/03/30
https://www.theguardian.com/us-news/2026/mar/30/embassies-campaign-marco-rubio-elon-musk

・スペインは以前からイラン戦争に関してスペイン国内の基地の使用や領空への侵入を認めていない。フランスは空域への侵入、イタリアは基地使用を拒否した。いずれの場合もトランプはとりあえず怒っている。

Trump Hits Out at France for Closing Airspace During Iran War – Newsweek 2026/03/31
https://www.newsweek.com/donald-trump-france-closing-airspace-11761983#Echobox=1774958947

Spain closes airspace to US warplanes in further rebuke to Trump – The Independent 2026/03/30
https://www.independent.co.uk/news/world/europe/iran-war-spain-airspace-trump-b2948259.html

Italy refuses US aircraft use of Sicily base for Middle East operations, sources say – Reuters 2026/03/31
https://www.reuters.com/business/aerospace-defense/italy-refuses-us-aircraft-use-sicily-base-middle-east-operations-source-says-2026-03-31/

・ロバート・F・ケネディ・ジュニア(RFK Jr.)が設立した非営利団体ChildrensHealthDefense.orgは、2026年3月7日に学術誌『Next Research』に掲載された研究を紹介する形で、アメリカ、オーストラリア、カナダの2,600万人以上の成人が無線電磁波への曝露により健康上の問題を抱えているという記事を掲載した。
しかし、元の研究は実際の健康被害との因果関係などを検証したものではなかった。
電波や電磁波でアレルギーなどの健康障害が起こるという説は昔から存在しており、今回はそれを新しい研究結果で焼き直したものだ。
なお、 RFK Jr.は保健福祉長官をとつとめており、トランプ政権で陰謀論を世界に発信しているメンバーのひとり。

RFK Jr. Group Revives Long-Debunked Claim that WiFi is Dangerous – NewsGuard’s Reality Check 2026/03/31
https://www.newsguardrealitycheck.com/p/rfk-jr-group-revives-long-debunked

・報道機関として知られるロイターはアメリカ有数のデータブローカーでもあり、以前からICEにも協力していた( https://www.newsweekjapan.jp/ichida/2026/01/ice_3.php )。今回の404 Mediaの記事はロイターが販売したデータとパランティアのシステムとのつながりについて分析している。ロイターの社内ではICEとの契約について180人の社員が不安を表明している。

How Thomson Reuters Powers ICE and Palantir – 404 Media 2026/03/31
https://www.404media.co/how-thomson-reuters-powers-ice-and-palantir/

・ハンガリーの総選挙を前に、Euronewsブダペストでは編集の独立性が脅かされる事態が生じている、とEuractivが報じた。
Euronewsはハンガリー首相オルバンとつながりのあるアルパック・キャピタルに買収されており、それ以降、影響を受けているとEuractivは報じている。

Euronews accused of ‘clear breach of editorial integrity’ over Hungarian elections – Euractiv 2026/03/31
https://www.euractiv.com/news/euronews-accused-of-clear-breach-of-editorial-integrity-over-hungarian-elections/

・アイルランドを狙ったイランの情報工作に関するISDのレポート。
なお、このレポートは2026年2月28日より前の期間に調査した結果である。
2024年8月からアイルランド統一を支持する投稿を開始した。4つのアカウントが活動しており、ハッシュタグハイジャックを行って、政治家や活動家とアカウントとつながる、主張を拡散した。4つのアカウントは連携しており、投稿の約25%がアイルランドに言及しており、ほぼ50%がパレスチナ、イスラエル、イランに関する話題を投稿していた。
ただし、ほとんど影響はなく、エンゲージメントも低かった。

Irish unity, Palestine and Soleimani: Analysis of an Iranian information operation targeting Ireland – Institute for Strategic Dialogue(ISD) 2026/03/31
https://www.isdglobal.org/digital-dispatch/irish-unity-palestine-and-soleimani-analysis-of-an-iranian-information-operation-targeting-ireland/

・信頼できる情報源に関するDBを提供し、高頻度で真偽確認を行っているNewsGuardに、真偽確認を信用するな、という記事が掲載された。
同社はこれまで情報をすぐに信じないようにと警告してきたが、そのアドバイスが逆効果になっている可能性についてはじめて認めた。
どのような情報も疑って確認しろ、というのは過去に多くの関係者(メディアや政治家は専門家とは言わない)が発言してきたが、すでに数年前から猜疑心を煽り、なんでも疑ってかかる警戒主義に陥る弊害が指摘されていた。
そもそも「偽」を判別する能力と「真」を識別する能力は異なる。もちろん重要なのは信じられる情報を識別する能力の方だが、これまでは偽を見つける方にばかり話題が集中してきた。基本的な齟齬があるにもかかわらず、多くの関係者は偽の判別能力に焦点をあててきた。
今回、NewsGuardはAI生成情報の増加によって、真の情報も偽と判定されてしまうケースが出てきたことによって、やっとこれまでの方針が誤りだったことに気がついたという次第。
NewsGuardにとってはAI検出ツールHiveが本物の動画を偽と判断して、多くの人がそれを信じたことに驚いたらしい。
AIもAI検出ツールも間違える、というかウソをつくのだ。
多くの関係機関は偽の判別に予算と人を割いているので、この事実を認めるのは難しい。認めない結果は、アメリカのような政府の誕生だ。いくら偽を見つけても正しい情報がわからなければなんの意味もない。

Real Is the New Fake – NewsGuard’s Reality Check 2026/04/01
https://www.newsguardrealitycheck.com/p/real-is-the-new-fake

・ロシアのインターネットの遮断が進んでいるという記事。
完全に停止するのではなく、選択的(WhatsAppだけ通さないなど)に遮断できるように変更しているらしい。というか、この技術はずいぶん以前から存在しており、イランも同様の技術で遮断を行っている。
そもそも5年以上前にNATO CCDCOEが警告していた。当初は2024年に完成する予定だったのが遅れていたらしい。
これができると単純な遮断ではなく、国家をインターネットから閉鎖し、その中で垂直および水平に統合された国家の統制管理するネットワークができる。
ロシアはそのために、2015年から2020年にかけて閉鎖ネットのための関連法規やシステムの開発を行ってきた。サイバーインシデント管理システム=GosSOPKA、ネットワーク監視&管理集中システム(TsMUSSOP)、連邦政府情報管理システム(Upravlenie)などがそうだ。
細かい説明は省くが、中国やロシアのような閉鎖ネットを持つ国家と日本やアメリカのような解放ネットの国家では決定的に解放ネット国家の方が不利で、サイバー空間のあらゆる場面で非対称的に劣位にたたされる。

ロシアのサイバー非対称戦略「The Russian National Segment of the Internet as a Source of Structural Cyber Asymmetry」 – 一田和樹のメモ帳 2021/05/14
https://note.com/ichi_twnovel/n/nc725e0c9d580

SE:ロシアの非対称ネットワークがやっと動き出す(待っていたわけではない) – 一田和樹のメモ帳 2026/04/02
https://note.com/ichi_twnovel/n/nd08947e28dea

Russia slowly trying to splinter its internet from rest of world, analysts say – The Guardian 2026/03/31
https://www.theguardian.com/world/2026/mar/31/russia-splinter-internet-blackouts-telegram-analysts

・欧州を含むNATO全域で利用している唯一のAI利用標的選定プラットフォームが米パランティア製Maven Smart System(MSS)であることが、安全保障上の大きな懸念となっている。導入に当たって欧州議会も欧州各国政府で全く議論はなかった。
しかし、アメリカ製のMSSを使用することはアメリカの基準に則って標的を選定することに他ならない。その基準はアメリカのものであって欧州のものではない。
もちろん人間がその選定をチェックすることはできる。しかし、イラン戦争において標的選定は86秒で行われ、数千回攻撃が行われた。人間の関与は不可能だ。
すでに欧州の一部が戦場となっている以上、MSSを利用して数千回の攻撃を1日で行う可能性は常に存在する。当たり前だが、日本がもしアメリカ企業のAI兵器を導入すれば同じ問題に直面する。

Europe’s AI sovereignty just became a security emergency – Euractiv 2026/04/01
https://www.euractiv.com/opinion/europes-ai-sovereignty-just-became-a-security-emergency/

・ロシアのShadow Warfare=ハイブリッド戦についてのコンパクトな紹介。2025年11月のCEPAの「War Without End: Russia’s Shadow Warfare」( https://cepa.org/comprehensive-reports/war-without-end-russias-shadow-warfare/ )の要約版といった感じ。日本語だと「ロシアが仕掛ける「影の戦争」──進化するハイブリッド脅威と日本の脆弱性」( https://www.newsweekjapan.jp/ichida/2026/02/post-67.php#goog_rewarded )がわかりやすいかも。

What is Shadow Warfare? Russia’s New Hybrid Warfare – CEPA 2026/03/16
https://cepa.org/article/what-is-shadow-warfare-russias-new-hybrid-warfare/

・憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientists; UCS)はトランプ政権が2025年1月20日から2026年3月6日にかけて行った科学への562件の攻撃を整理、分析。
もっとも多かったのは、反科学への規制と科学的基準に基づく規制の緩和や撤廃だった。資金の凍結や削減も顕著だ。
政権発足すぐに多数の攻撃が行われ、科学者たちの活動に制限が加えられた。反科学的な人物の登用、資金の打ち切りや削減、解雇などが行われ、多くの機関が科学的誠実さに関する方針を撤回した。科学は政治化された。

One Year in, the Anti-Science Agenda of the Trump Administration Is Evident – The Equation 2026/03/31
https://blog.ucs.org/jules-barbati-dajches/one-year-in-the-anti-science-agenda-of-the-trump-administration-is-evident/

・xAIもしくはOpemAIのAPIを通じてAIを利用し、電子化された書籍の書評を生成するBLOCKADE(Blocking Lustful Overzealous Content, Keeping Away Depravity and Extremism)によって、公立学校や図書館から保守的価値観に反する図書を排除するよう求める活動が広がっている。
BLOCKADEは学区への正式な異議申し立ての資料に使える形でアウトプットを生成する。
適切に調整されていないため、多くの関係ない本も排除対象になっている。これに限らず、多くの右派がAIに狙った本を排除するための根拠を求めるようになってきているという。

‘BLOCKADE’: The Right Is Using AI Content Scanners to Try to Supercharge Book Banning – 404 Media 2026/04/01
https://www.404media.co/blockade-the-right-is-using-ai-content-scanners-to-try-to-supercharge-book-banning/

・移民関税執行局(ICE)に支配されるアメリカの空港。アメリカの多くの空港にはICE職員が配備され、保安検査などを行っている。今のところ、問題は起きていないようだ。実際の空港の様子が記事化された。

Passenger Arrives at Atlanta Airport, Says ‘ICE Is in Full Control’ – Newsweek 2026/04/01
https://www.newsweek.com/passenger-arrives-atlanta-airport-says-ice-full-control-11768260#Echobox=1775051639

・ISDによる2025年アイルランドに対するFIMI(外国による情報操作と干渉)の予備的分析。
移民問題と2025年のアイルランド大統領選挙の2つに対して、ロシア、中国、イランと見られるFIMIが行われていた。
ロシアは国営メディアを通じて2つのテーマに関して西側の統治の失敗やEUや民主主義の問題を指摘していた。中国政府と関わりがあると思われるアカウントには動きがなかったが、フェイスブック上(CGTN Gaeilge)で反移民を煽ったり、大統領選挙の不正に関する偽情報がアイルランド語と英語でアイルランド人に届いていた。
イランのStorm-2035のアカウントは大統領に当選した候補者を支持する投稿を行っていたが、影響はなかった。

Foreign actors and foreign influence: An exploratory analysis of international state actors targeting Ireland in 2025 – Institute for Strategic Dialogue(ISD) 2026/04/02
https://www.isdglobal.org/digital-dispatch/foreign-actors-and-foreign-influence-an-exploratory-analysis-of-international-state-and-son-state-sctors-targeting-ireland-in-2025/

・「注目すべきはAIチャットボットの活用だ。AIチャットボットは説得力があり、疲れをしらず聞き手を持ち上げながら自信を持って自説を主張する。しかも中毒性があり、聞き手を依存させることも多々ある。陰謀論などを広げる伝道師としてはもっとも恐るべき存在」
「講座やセミナーで収益を上げ、AI技術を活用してコンテンツを広めている」
「今回の例はこれからの陰謀論や代替医療のビジネスモデルを示している」
「GNM関連チャンネルは他のTelegramの陰謀論ネットワークと広く接続しており、69の外部チャンネルが情報源として確認された。その中には反ユダヤ主義、反移民、親ロシア、極右的内容を含むものや、ワクチン陰謀論・地球平面説など反科学的運動と結びつくものも含まれていた」

疑似科学「ドイツ新医学」の拡散 – INODS UNVEIL 2026/04/02
https://inods.co.jp/topics/report-reviews/9193/

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この記事を書いた人

複数のIT企業の経営にたずさわった後、2011年にカナダの永住権を取得しバンクーバーに移住。同時に小説家としてデビュー。リアルに起こり得るサイバー犯罪をテーマにした小説とネット世論操作に関する著作や評論を多数発表。代表作として『原発サイバートラップ』(集英社)、『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』(集英社)、『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』(角川新書)、『ネット世論操作とデジタル影響工作』(原書房)など。
10年間の執筆活動で40タイトル刊行した後、デジタル影響工作、認知戦などに関わる調査を行うようになる。
プロフィール https://ichida-kazuki.com
ニューズウィーク日本版コラム https://www.newsweekjapan.jp/ichida/
note https://note.com/ichi_twnovel
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