8カ国の陰謀論と信者を調査、比較分析した論文が公開

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2025年2月24日に公開された「Conspiracy Theories and their Believers」は、オーストラリア、ブラジル、カナダ、ドイツ、レバノン、モロッコ、南アフリカ、アメリカの8カ国における陰謀論とその信奉者の2軸に分けて比較分析を行った論文である。

陰謀論は、コロナに関するものと、気候変動に関するものが世界共通の2大テーマとなっている。さまざまな陰謀論がこの2つのテーマから生まれているが、コロナの陰謀論の方が気候変動よりも人気がある。国ごとに独自の陰謀論も見られた。
この研究では各国ごとに陰謀論を設定し、アンケート調査を行った。主要な陰謀論を信じる人の割合は20〜40%程度で、8カ国すべてに4人に1人=25%以上が信じている陰謀論があった。
陰謀論信者になるには、社会政治的要因(教育レベル、経済状況、政治的イデオロギーなど)、心理的要因(自尊心、認知的閉鎖欲求)、人口統計学的要因(性別、年齢、居住地)が影響している。また、ひとつの陰謀論を信じる人は他の陰謀論も信じやすい傾向があった。
各国ごとに違いが出ており、陰謀論を考えるうえで参考になる資料と言える。

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この記事を書いた人

複数のIT企業の経営にたずさわった後、2011年にカナダの永住権を取得しバンクーバーに移住。同時に小説家としてデビュー。リアルに起こり得るサイバー犯罪をテーマにした小説とネット世論操作に関する著作や評論を多数発表。代表作として『原発サイバートラップ』(集英社)、『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』(集英社)、『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』(角川新書)、『ネット世論操作とデジタル影響工作』(原書房)など。
10年間の執筆活動で40タイトル刊行した後、デジタル影響工作、認知戦などに関わる調査を行うようになる。
プロフィール https://ichida-kazuki.com
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