捏造セレブ発言を使ったロシアのドッペルゲンガー・キャンペーン

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「世界的な有名人たちによる反ウクライナ発言」の偽情報を拡散するロシア発の活動が、研究者たちによって発見された。この活動は6月の欧州議会選に関連して行なわれたものとみられている。

非営利団体Bot Blockerによると、今回の活動はロシアで最も活動的なフェイク情報ネットワークの一つとして知られるドッペルゲンガー(Doppelgänger)が実行するもので、彼らはセレブリティたちによる反ウクライナ発言(実際には行なわれていない)の引用文を6月14日から15日頃にかけて12万件発表し、それらは直ちに50万回近く閲覧された。

今回の活動は、まず「X(旧Twitter」に英語、フランス語、ドイツ語、ポーランド語でフェイク情報を50件投稿し、それを数千回にわたってリポストするところから始まったと考えられている。その投稿にはアンジェリーナ・ジョリー、リュック・ベッソン、リオネル・メッシ、エリザベス・デビッキなどの画像が使用され、その多くには「ウクライナのことは忘れろ」「キエフへの援助をやめろ」などと呼びかける内容が含まれていた。

Bot Blockerによれば、ドッペルゲンガーはこれまでにも有名人の画像を利用して反ウクライナのフェイク情報を拡散してきた。今回のような発見は「この6か月間で6回目」だと同団体は語っている。

ヨーロッパ対外行動庁(European External Action Service、 EEAS)も「ドッペルゲンガーの逆襲(Doppelganger strikes back: FIMI activities in the context of the EE24)」というタイトルのレポートを公開した。

この時期に並行して、他のキャンペーンも実行されており、ロシアによるフェイク情報の拡散方法は多岐にわたっていたことがわかる。フィンランド企業のCheck Firstが先日発表した報告書によると、ロシアは欧州諸国やその他の国々にある800以上の報道機関を狙って大量のフェイク情報を送り込む作戦を展開している。この作戦(同社は「オペレーション・オーバーロード」と名付けている)は、各国の報道機関のリソースを枯渇させ、また信頼されている報道のエコシステムを利用して、ロシアの政治活動を広めることが目的だと考えられている。

https://therecord.media/fake-celebrity-quotes-anti-ukraine-doppelganger-bot-blocker
https://euvsdisinfo.eu/uploads/2024/06/EEAS-TechnicalReport-DoppelgangerEE24_June2024.pdf
https://checkfirst.network/operation-overload-how-pro-russian-actors-flood-newsrooms-with-fake-content-and-seek-to-divert-their-efforts/

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