INODS UNVEIL ピックアップ 2026年3月13日~3月19日(62件)

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2026年3月13日~3月19日にピックアップした62件の情報をまとめました。

目次

2026年3月13日~3月19日ピックアップした情報の傾向

・イラン戦争は想定外の影響を広げている。エネルギー危機、ロシア・中国・イランの協力関係の拡大など。
 エネルギー危機はロシア制裁緩和につながり、ロシア・中国・イランの協力関係はプロジェクトの拡散や安価な量産型ドローンの開発生産びつながった。アメリカはこれまでと同じ「軍事的優位が政治的勝利に結びつかない」弱点を再び露呈。ターゲットの破壊に繰り返し成功するものの政治的勝利に結びつく兆しはない。データセンターが戦略的ターゲットになり、安価な量産型ドローンがこれまでのシステムを変革した。

・アメリカではトランプ政策の負の成果が顕在化。DOGEやICEの問題は根深く残り、反発と訴訟が広がる。さらに連邦判事はワクチン諮問委員会のメンバー任命が連邦法に違反しているため、委員会が実施したすべての投票は無効にした。ビッグテックはますます軍との関係を深め、軍事産業化しつつある。

・新しい脅威として、AIが本格的に人間の業務に影響を与えるようになり、データ漏洩や破壊などの脅威が顕在化した。
オンライン詐欺グループは、小国の国家予算なみの規模と要員(強制労働者含む)を擁する最大規模の非国家アクターとなったが、その実態についてはいまだに把握されていない。

個別情報

・イランのTasnim Newsによると、イランはアメリカへの報復として、Amazon、Google、マイクロソフト、Nvidia、パランティア、IBMなどの施設を標的にする。画像は原文とグーグル翻訳で翻訳したもの。Tasnim Newsはエネルギーセクターなどへの攻撃リストも公開している。なお、英語版WEBもあるが、ペルシャ語のみでの公開となっている(ビッグテック攻撃リストはX投稿のみっぽい)。

アメリカビッグテック攻撃リスト
https://x.com/Tasnimnews_Fa/status/2031541620080775181

Iran plots ‘infrastructure warfare’ against US tech giants – The Register 2026/03/11
https://www.theregister.com/2026/03/11/iran_threatens_us_tech_companies/

Iran signals it will hit US, Israeli economic and tech targets – Euractiv 2026/03/12
https://www.euractiv.com/news/iran-signals-it-will-hit-us-israeli-economic-and-tech-targets/

エネルギーセクターなどの攻撃リスト – Tasnim News 2026/03/13
https://www.tasnimnews.ir/fa/news/1404/12/22/3539126/

・アフリカでは低賃金かつ非人道的なAIデータラベリング労働が行われている。AIサプライチェーンの末端の労働者が、声を上げだした。以前から問題になっていたものの、大きくとりあげられることのなかったAI奴隷の人間をまっとうな労働者として働けるようにする動き。

‘AI Is African Intelligence’: The Workers Who Train AI Are Fighting Back – 404 Media 2026/03/12
https://www.404media.co/ai-is-african-intelligence-the-workers-who-train-ai-are-fighting-back/

・AmazonのECでシステム障害が発生し、90日間の安全対策再構築を開始したことで情報が錯綜している。
AIコーディングが原因という指摘や内部文章の情報がある一方、公式にはAIは関与していないということになっている。
とはいえ、「controlled friction」と呼ばれるレビューの厳格化などを含んだものになるらしい。大幅な人員削減を実施してきたAmazonのこれからについて、経営するテスラの車のやばい事故を経験したイーロン・マスクが慎重に進めるべき、とアドバイスするのは皮肉か。

Amazon orders 90-day reset after code mishaps cause millions of lost orders – Business Insider 2026/03/11
https://www.businessinsider.com/amazon-tightens-code-controls-after-outages-including-one-ai-2026-3

Amazon launches 90-day ‘reset’ after outages tied to AI coding – CNBCTV18 2026/03/12 https://www.cnbctv18.com/technology/amazon-launches-90-day-reset-after-outages-tied-to-ai-coding-ws-l-19866959.htm

‘Proceed with caution’: Elon Musk offers warning after Amazon reportedly had mandatory meeting to address ‘high blast radius’ and AI-related incidents – Fortune 2026/03/11
https://fortune.com/2026/03/11/elon-musk-amazon-outage-ai-relate-incident-meeting-report-cybersecurity/

・中国が親イランプロパガンダを拡散。中国は国営メディアやSNSでイラン戦争についての虚偽の情報を拡散していた。「イラン防空軍がクウェート国境付近で米軍戦闘機を撃墜」、「ネタニヤフ首相がイスラエルからドイツへ逃亡」などの虚偽情報を発信、拡散していた。

China Pushes Pro-Iran War Claims – NewsGuard’s Reality Check 2026/03/13
https://www.newsguardrealitycheck.com/p/china-pushes-pro-iran-war-claims

・極右団体を禁止した時に起こることを過去のフランスの事例をもとにC-REXが分析した記事。禁止によって混乱が起きるものの、代替する組織が現れるため、効果は一時的でもぐら叩きのようなもの。禁止後にどのような状態にもってゆくかまで計画しなければ継続的な抑止にはつながらないようだ。

The Effects of Banning Far-Right Groups: Evidence from France – C-REX 2026/03/12
https://www.sv.uio.no/c-rex/english/news-and-events/right-now/2026/the-effects-of-banning-far-right-groups-evidence-f.html

・バーニー・サンダースが米国内でのデータセンター建設の一時停止の法案を提出すると発表した翌日、ピューリサーチの調査結果が公開された。
アメリカの成人を対象とした調査では、回答者の大半がデータセンターは環境、光熱費、生活の質に悪影響を与えると考えていることがわかった。
アメリカではすでにデータセンターによって環境、光熱費、生活の質が悪化した事例がいくつもあるので、そうなるのも当然。日本もいずれそうなるのかな?

People Hate Datacenters, Survey Finds – 404 Media 2026/03/13
https://www.404media.co/people-hate-datacenters-survey-finds/

・カナダで発生したタンブラー・リッジでの銃乱射の後、犯人がトランスジェンダーであったことからLGBTQ+へのヘイトが急増した。ただし、実態としては少数のナラティブが繰り返しエンゲージメントの多くを集めていた。
トランスジェンダーは本質的に暴力的である、トランスジェンダーは精神疾患の一種である、当局が銃撃犯の性自認を隠そうとしている、攻撃の責任はトランスジェンダーを受け入れた親や政策にある、といった内容だった。

A quantitative analysis of anti-LGBTQ+ hate after the Tumbler Ridge shooting – Institute for Strategic Dialogue(ISD) 2026/03/13
https://www.isdglobal.org/digital-dispatch/quantitative-analysis-anti-lgbtq-hate-tumbler-ridge-shooting/

・Apple社は中国におけるApp Storeの手数料率を30%から25%に引き下げると発表した。中国国内でのiPhoneの販売が急増し、売上が前年同期比16%増となったことを受けての措置。 Apple社はEUとはApp Storeの手数料率で対立が長引いており、アメリカでは訴訟に発展した。中国ではなんの対立もなく、自ら進んで料率を引き下げた形になる。

Apple drops commission rates in China without a fuss – TechCrunch 2026/03/13
https://techcrunch.com/2026/03/13/apple-drops-commission-rates-in-china-25-percent/

・アメリカはロシアの制裁を緩和して石油を輸入し、インドも輸入、EUはロシアに融和的に変化している。セルビア(NATOのパートナーシップ加盟)はロシアから戦闘機、中国からミサイルを購入。Appleは中国で自主的に手数料を引き下げた。これが「なんでもあり」という新しい国際秩序?

Serbia confirms it owns Chinese supersonic missiles – Euractiv 2026/03/13
https://www.euractiv.com/news/serbia-confirms-it-owns-chinese-supersonic-missiles/

NATO partner Serbia admits buying Chinese missiles after photos leaked online – The Straits Times 2026/03/13
https://www.straitstimes.com/world/europe/nato-partner-serbia-admits-buying-chinese-missiles-after-photos-leaked

・WSJによるとアメリカ財務省はTikTokを買収したオラクルなどの企業から仲介料として100億ドル(約1兆6千億円)を受け取る。すでに買収時に25億ドルを受け取っており、その後分割で合計100億ドルを受け取る予定。トランプは、政府が手間をかけたから成立したディールなのだから手間賃をもらって当然と言っている。買収したい外国企業があったらトランプに頼むと、ディールしてくれるってこと? トヨタの買収を米投資団がトランプに依頼したらどうなるんだろう? この調子だと「イランの脅威から守ってやった」の見返りに「イラン税」を国民から徴収しかねない。

Trump Administration Set to Receive $10 Billion Fee for Brokering TikTok Deal – The Wall Street Journal 2026/03/13
https://www.wsj.com/tech/tiktok-deal-fee-trump-administration-5aa31c9f

・米商務省はAIチップに関する新しい規制案を取り下げた。これまでのものよりもより厳しい規制(特に中国にとって)になる見込みだった。

US Commerce Department withdraws planned rule on AI chip exports, government website shows – Reuters 2026/03/14
https://www.reuters.com/business/us-commerce-department-withdraws-planned-rule-ai-chip-exports-government-website-2026-03-13/

・フランス地方選で極右政党がマルセイユやニースなど南仏の都市の政権を奪い取るかもしれない。すでにご紹介したようにロシアの干渉も始まっている。波乱含みのフランス地方選。

‘It would be an earthquake for France’: is Marseille about to vote in the far right? – The Guardian 2026/03/14
https://www.theguardian.com/world/2026/mar/14/france-marseille-far-right-municipal-elections-national-rally

Russian Disinformation Goes Local Ahead of French Elections, Targeting Paris Mayoral Candidate Backed by Macron’s Party – NewsGuard’s Reality Check 2026/03/11
https://www.newsguardrealitycheck.com/p/russia-has-its-eyes-on-paris

France suspects foreign interference in key mayoral races – Euractiv 2026/03/10
https://www.euractiv.com/news/france-suspects-foreign-interference-in-key-mayoral-races/

・さまざまな情報源から現時点でのアメリカ、イスラエル、イラン、レバノンなどの人的被害やコストなどを紹介。イランの被害がもっとも甚大なのは予想通りだが、同じくアメリカの戦費も甚大。

These are the casualties and cost of the war in Iran 2 weeks into the conflict – March 14, 2026 – NPR 2026/03/14
https://www.npr.org/2026/03/14/nx-s1-5746623/iran-war-cost-deaths

・元DOGEメンバーの証言映像が話題となった後、裁判所命令で削除されたものの、すでに保存していた人々が次々とさまざまなプラットフォームに再公開している。この動画は元DOGEメンバーが削減対象を選ぶ際に、あからさまに人種などによる差別的な選び方をしていたことや、選別基準の「DEI」についてよく理解していなかったことなどがよくわかる内容となっている。

The Removed DOGE Deposition Videos Have Already Been Backed Up Across the Internet – 404 Media 2026/03/14
https://www.404media.co/the-removed-doge-deposition-videos-have-already-been-backed-up-across-the-internet/

・謎の組織Democracy Unmutedが中間選挙を前に、インフルエンサーにシカゴの民主党予備選候補を攻撃する内容の活動を1,500ドルで依頼。インフルエンサーは依頼を断り、その内容を公開した。こうしたダークマネー団体が選挙に及ぼす影響は拡大し、深刻な問題になっているという。

Dark money group offers influencers $1,500 for posts attacking Chicago Democratic primary candidate – MS NOW 2026/03/13
https://www.ms.now/news/kat-abughazaleh-dark-money-influencers

・イラン、アメリカ、イスラエルの戦闘の中で中国が漁夫の利として情報を収集するチャンスをつかんでいるという指摘。アメリカとイスラエルの共同作戦Olympic Gamesは成功を収めたが、その後イランは組織内でCIAに協力した者を徹底的にリストアップし、中国のMSSはそれに協力していた。今回も中国が協力する可能性があり、その結果中国の情報力と影響力が拡大する可能性がある。まず、イランと中国が協力して調査活動を行うことで最新のアメリカ、イスラエルの情報ネットワークの情報が中国に渡る可能性がある。中国はサイバー諜報技術で秘密裏に中東諸国に情報提供を行うことで影響力を拡大することができる。

Iran offers China a huge espionage opportunity. You can bet they’re using it – Euractiv 2026/03/15
https://www.euractiv.com/opinion/iran-offers-china-a-huge-espionage-opportunity-you-can-bet-theyre-using-it/

・イスラエルは、ヒズボラが武装解除に応じなければ報復措置を行う、といった内容のビラをレバノンで大量に散布した。過去にはガザで攻撃前に避難を進めるビラを散布したことがある。専門家によれば強制移住や集団処罰などの戦争犯罪に当たる可能性がある。

Israel dropped ‘propaganda’ leaflets in Lebanon amid ongoing offensive against Hezbollah – CBC News 2026/03/14
https://www.cbc.ca/news/world/lebanon-israel-propaganda-leaflets-9.7128940

・XがEUの1億2000万ユーロの罰金処分を受け、青いチェックマークに関する是正措置を提出した。青いチェックマークは認証マークのように誤解されやすいが、実態はお金を払えばほぼ無条件で付与されるものであった。今回はそれについての是正措置。

Musk’s X submits remedies relating to its blue check mark, EU spokesperson says -Reuters 2026/03/13
https://www.reuters.com/business/musks-x-change-verification-system-europe-bloomberg-news-reports-2026-03-12/

・「制度が自らの行動を導く前提に疑問を抱かなくなった時に最大の危険が生じる」というハンナ・アーレントの指摘を引用し、白人ナショナリズムが常態化し、当たり前のこと、倫理的なこととしてDEIの否定を行うようになってきている。アメリカでは、平等は差別であり、中立性を欠いているという理屈が受け入れられ、DEIが偏った概念として再定義されている。その結果、当たり前のことを当たり前に行うことが、以前の民主主義的価値観に照らすと残酷で不正義になる。アーレントが「悪の凡庸さ」と表現したものが、広がっている。こうした「悪の凡庸さ」を象徴するのが、AIだと思うのだけど、記事はそこまでは語っていない。

The war on DEI reflects the quiet normalization of white nationalism ? in the U.S. and beyond – The Conversation 2026/03/12
https://theconversation.com/the-war-on-dei-reflects-the-quiet-normalization-of-white-nationalism-in-the-u-s-and-beyond-278234

・EUはエネルギー確保のため、ロシアへの制裁を緩和し、関係正常化を進めようとしているが、必ずしも各国の意見が一致しているわけではない。ベルギーの外相は、関係の正常化はロシアに対しての弱腰にすぎないと批判。ウクライナとの戦争終結の交渉の場にEUの参加をロシアが拒否していることをあげた。

Belgian foreign minister rebukes De Wever’s call to normalise Russia ties – Euractiv 2026/03/15
https://www.euractiv.com/news/belgian-foreign-minister-rebukes-de-wevers-call-to-normalise-russia-ties/

・パランティアを率いるピーター・ティールがイタリアを訪問しており、イタリア政府とのより深い結びつきを狙っているのではないかという観測が出ている。すでにパランティアはEU内のいくつかの国と取引をしており、イタリアには「Gotham」を提供している。ティールはローマで「反キリスト」について非公開の講演を行う予定。カトリック教の復活を提唱するジョベルティ協会が共催している。なにを言っているかわからないと思いますが、ピーター・ティールはそういう人です。

Peter Thiel’s Antichrist lectures in Rome spark questions in Italian parliament – Euractiv 2026/03/15
https://www.euractiv.com/news/peter-thiels-antichrist-lectures-in-rome-spark-questions-in-italian-parliament/

・オキュラスをMetaに売却したことで有名なパーマー・ラッキーが設立したAnduril社と米陸軍は最大で200億ドル(約3兆円)に達する契約を締結した。ハードウェア、ソフトウェア、インフラ、サービスなどが含まれている。いよいよ自律型AI兵器の開発競争が始まるようだけど、自分の兵器で自滅するリスクはないんだろうか?

US Army announces contract with Anduril worth up to $20B – TechCrunch 2026/03/14
https://techcrunch.com/2026/03/14/us-army-announces-contract-with-anduril-worth-up-to-20b/

・日本外務省の新戦略クリックベイト大使がヨーロッパで話題。日本の外交官は慎重で静かで存在感がないことで知られているが、現在の駐英大使と駐仏大使は違った。ビールを一気飲みし、コスプレし、スラングを話し、スイーツを食べている姿をSNSに次々と投稿し、人気を博している。冗談か本気かわからないが、Euractiv誌は日本の新しい戦略的コミュニケーションと呼んで日本の外務省に確認を取った。外務省は、SNSの活用は重要で公使の個人的なアプローチが、現地の人々と日本国民を結びつけるのに役立つ、と答えたそうである。

Japan’s clickbait diplomacy points to soft power rethink in Europe – Euractiv 2026/03/16
https://www.euractiv.com/news/japans-clickbait-diplomacy-points-to-soft-power-rethink-in-europe/

・スペインの地方選で極右が予想を下回る結果。与党の社会党は議席を延ばした。

Far-right loses speed in Spain regional election – Euractiv 2026/03/16
https://www.euractiv.com/news/far-right-loses-speed-in-spain-regional-election/

・イラン戦争に関する写真をSNSに投稿したため逮捕される事件が相次いでいる。UAE、バーレーン、カタール、クウェート、ヨルダン、イラン、イスラエル、レバノンといった中東諸国では、戦争に関する画像や情報の投稿が禁止、監視の対象となっており、それが原因でアカウントの凍結、逮捕されることがある。UAEではすでに20人以上の逮捕者が出ており、さらに当局はSNSに対して凍結をアカウントのリストを送ったと言われている。クウェートでは政府の見解に反する意見や写真の投稿は起訴される可能性がある。その対象は観光客から大手メディアまで及び、2000万人のフォロワーを持つサウジアラビアのアル・アラビーヤのアカウントが凍結された。

How Posting Iran War Info Can Get You Arrested?In UAE, Israel And More – Forbes 2026/03/12
https://www.forbes.com/sites/maryroeloffs/2026/03/12/how-posting-iran-war-info-can-get-you-arrested-in-uae-israel-and-more/

Censored war: the crackdown on journalists is intensifying from the Gulf to Jordan – RSF 2026/03/11
https://rsf.org/en/censored-war-crackdown-journalists-intensifying-gulf-jordan

・誓いを忘れた億万長者。ウォーレン・バフェットとビル・ゲイツは、自分の資産の半分以上を寄付するという誓いを立てるキャンペーンを開始した。サム・アルトマン、マーク・ザッカーバーグ、イーロン・マスクなどが参加した。最初の5年間で113の金持ちが誓約に署名し、その後5年間で72、その次の5年間で43、そして2024年は通年でたった4件だった。アメリカでは1%の富裕者が90%と同じ冨を持つようになったが、誓いを立てる富裕者は減り、寄付も増えてはいない。資産の99%を寄付することを誓ったザッカーバーグのように貧乏人への寄付はやめて、研究期間に寄付するようになった。破綻の足音が聞こえる。

The billionaires made a promise ? now some want out – TechCrunch 2026/03/15
https://techcrunch.com/2026/03/15/the-billionaires-made-a-promise-now-some-want-out/

・アメリカでは政府や疾病予防管理センター(CDC)がワクチンに関する誤情報を発信しており、小児科は誤情報を信じてワクチンを拒否する親と対峙せざるを得ない状況が生まれている。多くの親がワクチン接種を避けるようになってきている。

In Talking to Parents About Vaccines, Pediatricians Navigate a Sea of Misinformation – The New York Times 2026/03/11
https://www.nytimes.com/2026/03/11/health/pediatricians-vaccines-cdc-kennedy.html

・ホルムズ海峡へ再開に向けたアメリカの艦艇派遣要請について、EUで協力に賛成している国はなさそう。ほとんどは否定。EUの選択肢のひとつとしてあげているオランダやデンマークも艦艇派遣で事態が好転する可能性は低いと考えているので、優先度の低い選択肢のひとつくらいなのだろう。EU外務担当上級代表カラスは「アメリカとイスラエルとイランの戦争に参加したい国などない」と発言しているので、現時点では明確に否定。また、NATOとは無関係ということはドイツやイギリスが強調している。なお、アルジャジーラは日本が軍艦を派遣する予定はないと表明したと報じている。

European countries reject Trump’s call for help to reopen strait of Hormuz – The Guardian 2026/03/16
https://www.theguardian.com/world/2026/mar/16/europe-donald-trump-strait-hormuz-iran

Iran war ‘nothing to do with NATO’, says German government – Euractiv 2026/03/16
https://www.euractiv.com/news/iran-war-nothing-to-do-with-nato-says-german-government/

‘Nobody’ wants to join US-Israeli Iran war, says EU foreign policy chief – Euractiv 2026/03/16
https://www.euractiv.com/news/nobody-wants-to-join-us-israeli-iran-war-says-eu-foreign-policy-chief/

European leaders reject military involvement in Strait of Hormuz – Al Jazeera 2026/03/16
https://www.aljazeera.com/news/2026/3/16/eu-leaders-reject-military-involvement-in-strait-of-hormuz-amid-war-on-iran

Dutch urge caution on Strait of Hormuz, don’t rule out a role – DutchNews 2026/03/16
https://www.dutchnews.nl/2026/03/dutch-urge-caution-on-strait-of-hormuz-dont-rule-out-a-role/

・イギリスの裁判で証人がスマートグラスを通じて第三者から指示を受けていた。証人の回答に不自然に時間がかかるようになり、数人が証人の眼鏡から音が聞こえると言い出した。裁判長が眼鏡を外すように命じ、証人が眼鏡を外してしばらくすると、証人のポケットのスマートフォンから大音量で第三者からの指示の声が響いた。どこから見てもスマホ経由で誰かから指示を受けていたとしか思えないが、証人は否定している。なお証言の最中に何度もスマホへの着信があったこともわかっている。裁判や試験、面接とかいろんなところでスマートグラス使われていそう。

Witness Caught Using Smartglasses in Court Blames it all on ChatGPT – 404 Media 2026/03/16
https://www.404media.co/witness-caught-using-smartglasses-in-court-blames-it-all-on-chatgpt/

・TikTokとMetaといったSNSプラットフォーム大手はよりアクセスを増やすアルゴリズムのため、怒りを煽るコンテンツを優先し、ボーダーライン上のコンテンツ(女性蔑視、人種差別、性的、陰謀論的など)のチェックをゆるめていた。また、InstagramでReelsをリリースした際は、数億人の利用者で「実験」を行い、その結果、いじめや嫌がらせが75%増、ヘイトスピーチが19%増、暴力や扇動が7%増加することになった。SNSビジネスは悪魔の所業。

TikTok and Meta risked safety to win algorithm arms race, whistleblowers say – Yahoo News 2026/03/16
https://ca.news.yahoo.com/tiktok-meta-risked-safety-win-061100671.html

・アメリカ連邦判事はワクチン諮問委員会のメンバー任命が連邦法に違反しているため、委員会が実施したすべての投票は無効とした。これまでの委員会の反ワクチン的な決定が覆されたことになる。反ワクチンのリーダーであるケネディJr.は長官に就任すると、ACIP(予防接種諮問委員会)全員を解任し、反ワクチン論者を中心としたメンバーを引き入れた。なお、アメリカ政府は控訴する可能性が高く、決着はまだ先となる。

Federal judge blocks RFK Jr’s overhaul of vaccine recommendations – The Guardian 2026/03/16
https://www.theguardian.com/us-news/2026/mar/16/judge-blocks-rfk-jr-vaccine-policy-changes

・イラン戦争で露呈したアメリカのパラドックス。「軍事的優位が政治的勝利に結びつかない」ことは長らくアメリカの脆弱性となってきた。強力な軍事力があっても他国に勝てないならただの無駄遣いだ。アメリカのサイバー技術の優位性は高精度で相手国の指導者を暗殺できるが、成果には結びつかない。しょせん、アメリカの全ての発想は対症療法に留まっているため、決して戦略的勝利に結びつかないという過去に何度も指摘されてきた問題。もちろん、この問題は日本にはより深刻。なぜなら強力な軍事力も政治的勝利を得るための戦略もない。まさか、クリックベイト外交が政治的勝利を生まないよね。

The Iran war and the limits of American power – Euractiv 2026/03/16
https://www.euractiv.com/opinion/the-iran-war-and-the-limits-of-american-power/

・ネタニヤフ首相はすでに死亡しており、ネットで公開されている動画はAIが生成したものである、という指摘がバズっているようだ。動画に不自然な点を見つけたり、AI生成であるかをチェックするツール(HIVE)で確認したらAI生成と判定されたといった主張がSNSに投稿されている。HIVEがAI生成と判定したのは事実だが、他のツールは本物と判定しており、動画の内容や状況など総合的に判断して本物とNewsGuardは判断した。

Netanyahu’s “Proof of Life” Video Is Real. Here’s Why Some Claim Otherwise. – NewsGuard’s Reality Check 2026/03/17
https://www.newsguardrealitycheck.com/p/netanyahus-proof-of-life-video-is

・2億5000万ドルの支払いを回避する方法をChatGPTに訊ね、弁護士のアドバイスを無視した結果、裁判で大敗。2021年、韓国のパブリッシャーであるKrafton社はUnknown Worlds Entertainment社を5億ドルで買収し、『Subnautica 2』が十分な売上を上げた場合にはさらに2億5000万ドルを支払うと約束した。同社の法務部門は法的リスクとレピュテーションリスクを指摘したが、Krafton社のCEOは納得せず、ChatGPTに支払いを行わないための計画を立てさせ、実行し、敗訴した。

CEO Asks ChatGPT How to Void $250 Million Contract, Ignores His Lawyers, Loses Terribly in Court – 404 Media 2026/03/16
https://www.404media.co/ceo-ignores-lawyers-asks-chatgpt-how-to-void-250-million-contract-loses-terribly-in-court/

・ジョージア州ソーシャルサークル市当局は建設予定の移民・税関捜査局(ICE)の「メガセンター」(7,500人から10,000人を収容予定)に上下水道サービスを提供しないと発表した。国土安全保障省(DHS)は同市に対して増加する分の上下水道をどうするのかの回答をもらうまでは使わせることはできないとしている。同市はすでに上下水道がパンク状態となっている。

Social Circle officials cut off water to site of planned Georgia ICE detention “mega-center” – CBS News 2026/03/16
https://www.cbsnews.com/atlanta/news/social-circle-planned-georgia-ice-detention-center-water-cut-off/

・WSJの報道によるとロシアはイランに衛星画像やドローン技術(改良型シャヘド・ドローン)などを提供している。イラン戦争当初はアメリカ軍や同盟国の位置情報などを提供していたが、現在は衛星画像(ロシアの航空宇宙軍VKSのもの)をそのまま提供している。イランがアメリカ軍のレーダーなどを破壊できた背景にはロシアの協力があったようだ。ドローンに関しては技術だけでなく、運用に関する知見も提供している。安価な量産型ドローンの実戦運用ではウクライナとロシアが世界でもっとも知見を持っている。

Russia Is Sharing Satellite Imagery and Drone Technology With Iran – The Wall Street Journal 2026/03/17
https://www.wsj.com/world/russia-is-sharing-satellite-imagery-and-drone-technology-with-iran-0dd95e49

・戦争省がAnthropicに代わるAIを探しており、OpenAIやGrokなど複数のLLMの導入を進めている。これにより、Anthropicと和解する可能性はほぼなくなった、という記事。ただ、すでに軍などで広く使用されているMaven Smart System(MSS)はAnthropicのClaudeが組み込まれており、それを入れ替えるには少し時間がかかりそうだ。イランではClaudeを組み込んだMSSが使用された。現時点でどうなっているかはわからないが、代替のLLMが決まっていないのであれば、まだClaudeが実戦で使われていると考える方が自然だろう。

The Pentagon is developing alternatives to Anthropic, report says – TechCrunch 2026/03/17
https://techcrunch.com/2026/03/17/the-pentagon-is-developing-alternatives-to-anthropic-report-says/

・POLITICOのカナダ、ドイツ、フランス、イギリスの世論調査からわかるアメリカの同盟国のアメリカ離れ5つのポイント。1.アメリカは頼りにならない、2.中国への接近、3.若年層で変化は顕著(SNSの影響?)、4.アメリカより中国の技術の方が進んでいると考えている、5.10年後には中国はアメリカ以上の大国となっている。信頼性が低く、すでに技術で中国に負けていて、将来性もないならアメリカを見限るよねって話。

Top US allies are turning toward China instead. Blame Trump. – POLITICO 2026/03/15
https://www.politico.com/news/2026/03/15/trump-china-europe-closer-ties-00823457

・ホルムズ海峡の封鎖は世界の石油・ガスの需給に大きな影響を与えているが、イランはその影響をさらに誇張して拡散している。NewsGuardの調査によれば、イスラム革命防衛隊と関係しているTasnim Newsは、ペルシャ語でオーストラリアの石油備蓄を実際の半分の数値で掲載し、石油不足のリスクを誇張した。このニュースは親イランメディアやSNSアカウントによって拡散された。

Iran Overstates Its Global Oil Disruption – NewsGuard’s Reality Check 2026/03/16
https://www.newsguardrealitycheck.com/p/iran-overstates-its-global-oil-disruption

・Xに児童性的虐待画像(CSAM)をあふれさせてxAIが提訴された。Grokを使って性的画像を生成し、拡散する問題は2026年初頭から起きており、その後xAIはアクセスを制限することで鎮静化を図った。しかし、スタンドアロンのアプリではその後も生成が可能だった。今回、テネシー州の3人の少女と保護者は、イーロン・マスクが「子供を含む実在の人々を性的搾取して利益を得るためにGrokを設計した」と非難している。

Elon Musk’s xAI sued for turning three girls’ real photos into AI CSAM – Ars Technica 2026/03/17
https://arstechnica.com/tech-policy/2026/03/elon-musks-xai-sued-for-turning-three-girls-real-photos-into-ai-csam/

・404 MediaのJason Koeblerの論考。現在のAIによる雇用喪失に関する調査研究はいくつもの重要な事実をあえて無視しているという指摘。たとえばAIポルノやAIスロップが雇用に与える影響評価をしたものはない。しかし、アダルト産業は産業として成立しており、雇用を生み出している。さらに大きな問題はインターネットやSNSのコンテンツのほとんどをAIが生成するようになってきている事実が産業構造に与える影響は評価されていない。ぞっとするような論考。ネットやSNSの多数のコンテンツがAI生成になる可能性は高く、さらに人々はネットやSNSを直接見ずAIエージェントに頼るようになることも確か。つまり、ネットとSNSから人がいなくなり、AIエージェントを通じてしか人はネットもSNSにもアクセスしなくなる。人が接する情報が完全にAIの制御下におくことになる時代に、どれほどの産業変化が起きるのだろう? というか、もはや人間はAIの周辺装置のひとつだよね。プライベートや仕事でネットに依存している人はそのままAIに依存するようになるしかない。

AI Job Loss Research Ignores How AI Is Utterly Destroying the Internet – 404 Media 2026/03/17
https://www.404media.co/ai-job-loss-research-ignores-how-ai-is-utterly-destroying-the-internet/

・「アルゴリズムは単に表示順序を変更するだけでなく、ユーザーが接触する情報のネットワークそのものを形成する可能性があるなど、SNSのアルゴリズムが政治的意見や情報を取得する環境の形成において重要な役割を果たし得ることを示唆」「フィードアルゴリズムはユーザーの政治的意見に大きな影響を与える/フィードアルゴリズムが与えた影響は長期間持続する/フィードアルゴリズムはタイムラインの構成にも影響を与える」

「SNSのアルゴリズムはユーザーの政治主張に大きく影響する」 – INODS UNVEIL 2026/03/18
https://inods.co.jp/topics/report-reviews/9072/

・スロバキアの総選挙の直前に、野党のスロベニア民主党(SDS)党首がイスラエルの民間諜報会社Black Cubeに与党の政党をターゲットにした中傷キャンペーンを依頼していたという疑惑が持ち上がった。Black Cubeは国際的に活動しており、ヨーロッパにも顧客いる他、ナイジェリア、カナダ、イランなどの工作を実施した。他にイスラエルNSOグループの依頼でCitizen Labに干渉を試みた疑惑がAP通信とCitizen Labにかけられている。

Spy scandal rocks Slovenia election campaign – Euractiv 2026/03/18
https://www.euractiv.com/news/spy-scandal-rocks-slovenia-election-campaign/

English version / Israeli Intelligence Agents in Slovenia – Mladina 2026/03/16
https://www.mladina.si/247423/israeli-intelligence-agents-in-slovenia/

Court filing links spy exposed by AP to Israel’s Black Cube – AP News 2019/02/28
https://apnews.com/article/d1fa2715d86148a1b92aaa52188df052

・今年で4年目となる欧州対外行動庁(EEAS)の「Annual Report on Foreign Information Manipulation and Interference Threats」( https://www.eeas.europa.eu/eeas/4th-eeas-annual-report-foreign-information-manipulation-and-interference-threats_en )が公開された。

注目すべき点としてはForeign Information Manipulation and Interference(FIMI)に対するプレイブックを提示した点だろう。FIMI主体の進化においついていけていない、ということになる。現状のFIMIの対症療法的対応を見る限りでは、このギャップは広がることはあっても解消されることはない。

欧州対外行動庁(EEAS)のFIMI年次レポートの絶望的な進歩 – INODS UNVEIL 2026/03/19
https://inods.co.jp/topics/report-reviews/9084/

・「オンライン詐欺グループは、小国の国家予算なみの規模と要員(強制労働者含む)を擁する最大規模の非国家アクターのひとつであり、経済力とネットワークは東南アジア(特にミャンマー、ラオス、カンボジア)を中心に世界に広がりつつある」、「国際刑事警察機構(インターポール)は、中東、中米、そして特に西アフリカが「新たな地域のハブ」に発展しつつあると追跡しており、2025年3月時点で人身売買被害者の約26%が東南アジア以外の拠点に送られたというデータが示されている」

中国系詐欺拠点の新潮流と米国の対応:AIと暗号資産がもたらす脅威 – INODS UNVEIL 2026/03/19
https://inods.co.jp/topics/report-reviews/9075/

・Metaの社内ではAIの本格利用にともなって、データの漏洩の危機や消失といった事件が起きている。Metaは深刻なリスクと評価しているようだが、AIの利用は続けそうなのでAI導入利用の新しい事例を引き続き提供してくれそうだ。

Meta is having trouble with rogue AI agents – TechCrunch 2026/03/18
https://techcrunch.com/2026/03/18/meta-is-having-trouble-with-rogue-ai-agents/

・フランス、ポーランド、スロバキア、スペインを対象に、Facebook、Instagram、LinkedIn、TikTok、X、YouTubeの6つの主要プラットフォーム上のコンテンツを調査した結果、TikTokがもっとも誤解を招くような内容を含んだ投稿が多かったことがわかった。これは偶然ではなく、構造的な問題とされた。また、TikTokで特定された偽情報の約4分の1(24%)、YouTubeでは約5分の1(19%)がAI生成コンテンツであった。

TikTok carries more disinformation than major social rivals, study finds – Euractiv 2026/03/19
https://www.euractiv.com/news/tiktok-carries-more-disinformation-than-major-social-rivals-study-finds/

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この記事を書いた人

複数のIT企業の経営にたずさわった後、2011年にカナダの永住権を取得しバンクーバーに移住。同時に小説家としてデビュー。リアルに起こり得るサイバー犯罪をテーマにした小説とネット世論操作に関する著作や評論を多数発表。代表作として『原発サイバートラップ』(集英社)、『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』(集英社)、『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』(角川新書)、『ネット世論操作とデジタル影響工作』(原書房)など。
10年間の執筆活動で40タイトル刊行した後、デジタル影響工作、認知戦などに関わる調査を行うようになる。
プロフィール https://ichida-kazuki.com
ニューズウィーク日本版コラム https://www.newsweekjapan.jp/ichida/
note https://note.com/ichi_twnovel
X(旧ツイッター) https://x.com/K_Ichida

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