INDOS UNVEIL ピックアップ 2026年4月3日~4月9日

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2026年4月3日~4月9日にピックアップした54件の情報をまとめました。

目次

2026年4月3日~4月9日にピックアップした情報の傾向

・AIデジタル権威主義国として整備が進むアメリカ。AIロンダリングによって、誤りを許容させる慣習を作り、誤認逮捕や政府による偽情報・誤情報に国民が反発しないようにしつつある。同時に他国に対してはデジタル主権の構築を認めず、アメリカのデジタルインフラの傘下に入ることを強要する。

・イラン戦争によって「アメリカの軍事力は脅威だが、政治的な勝利に結びつかない」、「高度なインテリジェンスで要人暗殺を成功させられるが、政治的な勝利に結びつかない」といったアメリカの弱点。強力な手段を持ちながらも、目標を達成できない体制が再認識されつつある
この傾向は認知戦やデジタル影響工作で顕著で、「敵の作戦を暴露することはできるが、国民を守ることはできない」という本末転倒ぶり。

個別情報

・EUのAI規制法案はじわじわと遅れつつあり、法案成立前に市場に投入された製品は適用除外となるため、前倒しして市場投入するための時間稼ぎになりかねない。また、すでに産業セクターごとの規制対象となっている場合は適用除外となるため、医療機器、機械、玩具、無線機器、輸送機器などが対象外になる可能性が出てきた。
さらにヌード化アプリについても「同意がない場合」に違法とするため、同意の有無を確認する方法が問題となっている。
結局、規制ができる時には規制対象は時代遅れになっていて、次の問題が生まれているというサイクルの繰り返しになりそう。

EU’s AI Act Delays Let High-Risk Systems Dodge Oversight – Tech Policy Press 2026/04/02
https://www.techpolicy.press/eus-ai-act-delays-let-highrisk-systems-dodge-oversight/

・月に向かったアルテミス2号ではマイクロソフト社のOutlookが使えるはずだった。しかし、肝心な時に使えないマイクロソフト製品は、宇宙でも使えなくなった。

Artemis II Astronauts Have ‘Two Microsoft Outlooks’ and Neither Work – 404 Media 2026/04/02
https://www.404media.co/artemis-2-astronauts-microsoft-outlook-livestream/

・アメリカでは10年くらい前から顔認証や犯罪可能性の予測システムなどが用いられていた。その精度の低さからいくつかの州では使用を禁止された。こりずにその冤罪生産ビジネスを続けたパランティアのような企業もある。
今回、顔認識システムの誤認で逮捕され、5カ月感も留置されるという出来事が起きた。警察は再発を防止するとは言ったが謝罪しない。彼らからしたら、システムが悪いのであってオレたちが悪いわけじゃない、という理屈なのだろう。戦場ではそうやって民間人が死んでいるわけだが。

『犯罪「事前」捜査』(角川新書)

「犯人を予測する予測捜査システムの導入が進む日米 その実態と問題とは」 – Newsweek日本版 2020/09/10
https://www.newsweekjapan.jp/ichida/2020/09/post-8.php

Police used AI facial recognition to arrest a Tennessee woman for crimes committed in a state she says she’s never visited – CNN 2026/03/29
https://edition.cnn.com/2026/03/29/us/angela-lipps-ai-facial-recognition

・「No Kings」と書かれたイランのミサイルの画像が、親イランと親イスラエルの双方で異なる理由で拡散された。親イラン派はアメリカ国内での反トランプ活動への連帯で拡散し、親イスラエル派はアメリカのリベラルが敵対勢力と結託していることを示すものとして拡散。ただし、画像はAI生成のものだった。

AI Fakes an Iranian ‘No Kings’ Missile ? and Both Sides Fall for It – NewsGuard’s Reality Check 2026/04/02
https://www.newsguardrealitycheck.com/p/ai-fakes-an-iranian-no-kings-missile

・国土安全保障省(DHS)は拘束した移民を収容するための倉庫の購入を一時的に停止した。倉庫の購入については各地で問題が起きており、DHSの公式説明のように再開されるかどうか雲行きは怪しい。

DHS pauses plans to buy warehouses for immigrant detention – NBC News 2026/04/01
https://www.nbcnews.com/politics/immigration/dhs-pauses-plans-buy-warehouses-immigrant-detention-rcna266016

・増加する動機不明の「自撮り部隊」。さまざまな目的でアメリカ兵のAI生成動画を投稿する人が増えている。
悲しみ、恐怖、共感、成功といった感情をゆさぶるようにできており、苦しみ悩む兵士の動画も多い。
リアルに見えるが、AIの生成した動画で、取材したThe Independent誌は「自撮り部隊」と呼ぶ。制作者たちの動機はさまざまだが、戦意高揚や金銭目当てのものはおらず、正しい情報や状況を伝えるために行っている者もいる。
ネット上ではすでにアメリカとイランが動画を駆使したミーム戦争を行っているが、「自撮り部隊」はいわば草の根の第3勢力。

Inside Trump’s AI ‘fake army’ of selfie troops and a new digital ministry of ‘truth’ – The Independent 2026/04/02
https://www.the-independent.com/news/world/middle-east/trump-iran-war-ai-fake-army-b2950062.html

・NewsGuardによる親中派アカウントがイラン戦争で行っている偽情報拡散の検知。の親中派アカウントが過去の画像を使って、米兵がイランに慈悲を乞うている画像として拡散。親中派アカウントは3月上旬には米兵が泣きながら国へ帰りたいと訴えるAI生成の画像を投稿していた。

Wrong War, Wrong Victim, Wrong Victor – NewsGuard’s Reality Check 2026/04/03
https://www.newsguardrealitycheck.com/p/wrong-war-wrong-victim-wrong-victor

・アメリカ政府は2026年3月31日に「外国貿易障壁報告書」を公開した。各国それぞれについての課題をリストアップしているが、そこではっきりわかるのはデジタル主権に対する否定である。アメリカ政府はそれを健全な貿易を阻害阻害する障壁として位置づけている。

2026 National Trade Estimate Report
https://ustr.gov/sites/default/files/files/Press/Releases/2026/National%20Trade%20Estimate%20Report%202026.pdf

U.S. targets Canada’s cloud-computing move as trade irritant – financialpost 2026/04/01
https://financialpost.com/news/economy/us-targets-canada-cloud-computing-trade-irritant

U.S. cites Canada’s cloud sovereignty push as a trade irritant – The Logic 2026/04/01
https://thelogic.co/news/cloud-sovereignty-push-trade-irritant/

・アメリカ政府発表よりも実際のアメリカ軍の死傷者は大幅に多いことが判明。
軍に所属している兵士だけで死者15名以上、負傷者520名以上が隠蔽されており、民間軍事会社の人数を加えるとその数はさらに増加し、1万人を超える可能性がある。
トランプ政権では偽情報を政府が発表する慣例ができており、これからは大本営発表として数字を見た方がよさそうだ。

“CASUALTY COVER-UP”: THE PENTAGON IS HIDING U.S. LOSSES UNDER TRUMP IN THE MIDDLE EAST – The Intercept 2026/04/01
https://theintercept.com/2026/04/01/iran-war-us-casualty-numbers-trump-hegseth/

Trump’s Pentagon Is Undercounting Troop Casualties in Middle East – The New Republic 2026/04/03
https://newrepublic.com/post/208551/pentagon-iran-troop-casualties-donald-trump

・AI企業NotaがAIを利用した新しいニュース配信ネットワーク「Nota News」を開始したが、地元のローカルニュースを出典を明記せずに流用していた。
29の報道機関の53人以上のジャーナリストによる記事70件の盗用が確認された。氷山の一角。生成AIによる雑なコンテンツダームはそこら中にある。

An AI company set out to fix news deserts. Instead, it copied local journalists’ work – Poynter 2026/04/02
https://www.poynter.org/ethics-trust/2026/nota-news-local-outlets-ai-plagiarism/

・アメリカで運用の始まった自動ボール・ストライク判定(Automated Ball-Strike 、ABS)システムによって、ロボットの審判が人間の監督を退場させた。 ABSはAIが判定するシステムだが、常時稼働しているのではなく審判の判定に異議を唱える際に用いられる。
従来は異議を唱えると、長時間待たされたが、ABSはこの時間をほとんどなくした。テレビ放送ではストライクゾーンが表示されているので、視聴者は異議を唱えるべきかどうかわかる(しかし、球場の選手たちにはわからない)。これによって、どのタイミングで意義を唱えるかという駆け引きや、審判による判定の正確さが浮き彫りになってきた。
そして、ABSの判定に不服を唱えた(正確にはじゃっかん違うが)監督が退場させられる事態も生じた。野球に限らず、あらゆる人間社会でこのような場面が出てきそうだ。

‘You Can’t Defeat the Robots!’: Baseball’s AI Strike Zone Is Must-Watch Television – 404 Media 20206/03/30
https://www.404media.co/you-cant-defeat-the-robots-baseballs-mlb-abs-ai-strike-zone-is-must-watch-television/

・トランプ政権の教育省(DoE)は全米の大学に対して7年間の入学関連データなどの提出を求めているが、17州の司法長官が申し立てを行い、裁判所から差し止められている。
データの要求は反DEIなどのトランプ政権の政策を実現するためのものであり、法的な根拠があるわけではなく、プライバシー侵害への脅威になり得るとしている。

17 states sue to block Trump’s HE admissions data demand – 2026/04/02
https://www.universityworldnews.com/post.php?story=20260402170512165

・中国の新興AI企業、觅熵科技(杭州)有限公司(MizarVision)や静安科技(Jing’an Technology)などは、米イスラエルがイランへの攻撃を開始後、欧米や中国のSNSに米軍の動きに関する情報を投稿し始めた。
空母の位置や移動および装備、空軍基地の航空機の機種と数の詳細な情報、米空母打撃群の給油パターン、2機の米軍B-2Aステルス爆撃機の通信を盗聴した内容などを公開していた。
これらは中国政府機関ではない民間企業だが、中国ではこうした企業が増加、発展している。現時点での能力についての評価は分かれるが、今後の懸念材料になるとされている。
日本でも民間のインテリジェンス企業が増えてきており、世界的な競争が始まっている。

Chinese firms market Iran war intelligence ‘exposing’ U.S. forces – The Washington Post 2026/04/04
https://www.washingtonpost.com/national-security/2026/04/04/china-ai-military-intelligence-iran-war/

・法律関連業務でのAI利用に伴い、罰金や罰則が急増。1日に10の裁判所で10の問題が発見されたり、米国内では800件、AIの誤りによる罰則が発生した。先月はAIによる誤りが原因で弁護士に約11万ドル(約1700万円)の支払いが命じられた。
その一方で、ChatGPTから誤ったアドバイスを受けた女性に訴えられた保険会社が開発元のOpenAIを告訴する事態も起きている。

Penalties stack up as AI spreads through the legal system – NPR 2026/04/03
https://www.npr.org/2026/04/03/nx-s1-5761454/penalties-stack-up-ai-spreads-through-legal-system

・アメリカ中間選挙を前に、民主党支持州で民主党支持者をターゲットにした逮捕や捜査が行う民主党狩りが始まっている。
トランプはカリフォルニア州、イリノイ州、ミネソタ州、メイン州、ニューヨーク州などの民主党支持州で不正が行われていると指摘し、捜査を進めていると発表した。

Trump announces ‘fraud’ crackdown in Democratic states as arrests begin in California – The Guardian 2026/04/03
https://www.theguardian.com/us-news/2026/apr/03/trump-vance-fraud-arrest-crackdown-california

・イランに関するアメリカの情報分析についての論考。
指導者を含む重要な人物の殺害には成功しているものの、その一方で重要な情報の収集と分析ができていない可能性が高いと指摘。これまで何度も描いてきたようにアメリカは、「軍事的優位を政治的勝利に結びつけることができない」、「情報的優位を政治的勝利に結びつけることができない」、つまり手段にこだわるあまりに目標達成可能性を考慮を忘れている状態なのだろう。
その最たるもののひとつが認知戦で、「敵国の作戦暴露が自国の防衛に役立たないどころか逆効果になる」状態を続けた結果、陰謀論大国に堕ちた。

How Good is Our Intelligence on Iran? – Just Security 2026/04/04
https://www.justsecurity.org/135659/how-good-our-intelligence-iran/

・特に10代に対するSNSの弊害について、神経科学から指摘。未発達な神経回路へのドーパミン刺激や不安の助長などがあげられている。

Neuroscience explains why teens are so vulnerable to Big Tech social media platforms – The Conversation 2026/04/02
https://theconversation.com/neuroscience-explains-why-teens-are-so-vulnerable-to-big-tech-social-media-platforms-278521

・Ofcomの調査によると、イギリスではSNSへの投稿、コメント、共有を行う成人が減少している。投稿については前年の61%から49%に減少だ。
その一方でAIの利用は増加している。

Fewer UK adults posting on social media, Ofcom finds – BBC 2026/04/02
https://www.bbc.com/news/articles/cgqk718l4neo

・ジョージア、モルドバ、アゼルバイジャン、アルメニアの4カ国の選挙へのロシアへの干渉についてDFRLabが分析したレポート「Foreign and domestic: Information manipulation during elections in Georgia, Moldova, Armenia, and Azerbaijan」が公開された。
4カ国は地理的に近いだけでなく、ロシアの干渉を受けていることと領土問題を抱えていることという共通点がある。レポートの冒頭ではFIMIが国内のアクターのオーガニックな動きを利用しており、境界を曖昧にし、アトリビューションを困難にしていることを指摘している。
4カ国の文化、言語、政治の違いを背景を踏まえたうえで、4カ国それぞれに対するロシアのアプローチを整理、分析している。
ナラティブの整理や分析は興味深かったものの、アトリビューションは説明不足だったような気がする。

Foreign and domestic: Information manipulation during elections in Georgia, Moldova, Armenia, and Azerbaijan – DFRLab 2026/03/31
https://dfrlab.org/2026/03/31/foreign-and-domestic-information-manipulation-report/

・「イラン政府が中国の天津天地偉業科技有限公司(Tiandy Technologies、以下 Tiandy)のシステムをどのように利用しているかは、デジタル権威主義の輸出という観点から極めて重要な事例である。本記事では、Tiandy製品の特徴と利点、イランにおける導入経緯、実際の利用事例、そして国際社会が直面する課題について解説する」
「同社は世界60カ国以上に支社を展開している。同社のCEOである戴林(Dai Lin)氏は同社の中国共産党幹事」
「納入先(エンドユーザー)として、IRGC(イスラム革命防衛隊:イランの体制防衛を担う精鋭軍事組織)、バシジ(Basij:IRGC傘下の民兵組織)、警察、さらにはサイラン(Sairan:国営の軍事用電子機器プロバイダー)や軍事基地など」
「中国からの技術提供は、単なる商業的取引を超え、「サービスとしての抑圧」という形で権威主義体制の強靭化に寄与」

イランにおける中国製監視技術の導入実態 – INODS UNVEIL 2026/04/06
https://inods.co.jp/topics/news/9265/

・AIをどこまで信用できるかという点については、さまざまな意見があるが、マイクロソフト社は明解に“Copilot is for entertainment purposes only,”、Copilotは娯楽用と言い切り、“It can make mistakes, and it may not work as intended. Don’t rely on Copilot for important advice. Use Copilot at your own risk.”間違うこともあるから信用するな、と警告している。
この利用規約がSNSで炎上しているらしい。いかにもマイクロソフトらしいような気もする。

Copilot is ‘for entertainment purposes only,’ according to Microsoft’s terms of use – TechCrunch 2026/04/05
https://techcrunch.com/2026/04/05/copilot-is-for-entertainment-purposes-only-according-to-microsofts-terms-of-service/

・EuractivによるProject Mavenの簡単な解説記事。
何か?:AIの支援により、標的を短時間に選定し、キル・チェーンを劇的に短縮する
仕組みは?:センサーデータ、敵部隊の諜報、衛星画像、部隊展開に関する情報を高速に融合させる仕組み
グーグルがやらなかった理由は?:倫理的な緒一線を越えたと考えるエンジニアの反対
パランティアは?:グーグル撤退後に参加した
成果は?:標的選定の高速化を果たしたが、一方で誤爆による民間人死者も出している。

AI at war: Five things to know about Project Maven – Euractiv 2026/04/05
https://www.euractiv.com/news/ai-at-war-five-things-to-know-about-project-maven/

・トランプは投票に関する新しい大統領令にサイン。
アメリカの選挙制度を再構築する取り組みに関するもので、各州で投票資格を持つ米国市民の名簿を作成し、身元確認済みの有権者にのみ郵便投票用紙を送付するようにする。
憲法では、連邦選挙の時期、場所、方法は各州が決定し、議会は変更を制定できると規定されているため、大統領にそれを変更する権限はないと反発されている。なお、以前の選挙に関する大統領令は大統領にはその権限がないとして差し止められた。

Trump signs a new executive order on voting. Experts say he lacks the authority – NPR 2026/04/01
https://www.npr.org/2026/03/31/nx-s1-5508948/trump-voter-list-mail-ballots-executive-order

・ドイツでは2026年1月から17歳以上45歳未満の男性ほぼ全員に対し、3カ月以上ドイツ国外に出る際は事前の届け出が必要となったことで、市民の反発を呼んで騒動が起きている。2026年1月より前は、特別な事態にのみ適用されていたものが、2026年1月から平時にも適用されるようになった。

Neue Wehrpflicht-Regel: Manner brauchen Ausreise-Genehmigung ? heftige Kritik an Gesetz – Frankfurter Rundschau 2026/04/06
https://www.fr.de/politik/brauchen-genehmigung-drastische-wehrpflicht-aenderung-maenner-die-deutschland-laenger-wollen-zr-94248132.html

Uproar in Germany over law requiring men get military approval for long stays abroad – The Guardian 2026/04/05
https://www.theguardian.com/world/2026/apr/05/uproar-germany-law-men-up-to-45-military-permission-long-stays-abroad

・アメリカのホロコースト博物館は、トランプ2期就任後、自主的にアメリカ国内の人種差別に関する資料を削除し、「民主主義の危機」に関するワークショップを中止していた。
これはトランプのスミソニアン博物館に対する批判を見て、批判される前に自主的にトランプの意向に沿うよう変更したものだった。

‘Proactively fall in line’: Holocaust Memorial Museum quietly changed content after Trump returned to office – POLITICO 2026/04/05
https://www.politico.com/news/2026/04/05/trump-holocaust-museum-00859274

・トランプは今年頭にイランで大規模なデモが行われている時、デモ参加者に大量の武器を送ったところ、クルド人が持ち去った、と語った。
よく意味がわからないが、トランプが反体制派に大量の武器を供与したということはわかった。

Trump says US sent ‘a lot’ of guns to arm Iranian protesters but believes ‘the Kurds took’ them: report – The Independent 2026/04/05
https://www.the-independent.com/news/world/americas/us-politics/trump-guns-protesters-iran-kurds-b2952178.html

・「デジタル影響工作は単なる情報発信ではなく、人々の認識や判断そのものに働きかける点で、いわゆる認知戦や情報戦の一形態と位置付けられる。すなわち、武力による直接的な衝突とは別に、人々の「何を信じ、どう判断するか」を操作することで、間接的に国家の行動や社会の安定性に影響を及ぼすことを狙うものである」

「今回の事例から明らかなのは、デジタル影響工作は一般に単独で効果を発揮するものではなく、
 ●軍事衝突
 ●エネルギー危機
 ●社会不安
といった現実の事象と結びつくことで影響力を持つ故に、今回のような社会不安が高まるタイミングで展開されるということである」

【緊急報告】イラン戦争に伴うホルムズ海峡封鎖下で展開された対日デジタル影響工作の分析 – INODS UNVEIL 2026/04/07
https://inods.co.jp/topics/experts/9281/

・救出された米軍パイロットは捕虜になっていなかったことがNewsGuardの調査で判明。親イランのSNSアカウントは撃墜された米軍機のパイロットが捕虜になったとする動画を拡散していた。しかし、その動画は過去の動画を加工したものであったことがわかった。
また、イランの国営メディアはパイロットが捕虜になったとは報じていなかった。
一部のメディアはパイロットを生きたまま捕らえた者に賞金を支払うと呼びかけていたり、パイロットが拘束された可能性があるといった程度の表現だった。

The ‘Captured’ U.S. Pilot Who Wasn’t Captured – NewsGuard’s Reality Check 2026/04/07
https://www.newsguardrealitycheck.com/p/the-captured-us-pilot-who-wasnt-captured

・トランプはイランで戦闘機が撃墜されたことの情報源をつきとめるため、ジャーナリストを逮捕すると発言。政府はパイロットが取り残されたことをイラン側に知られないよう秘密にしておく予定だった。
取り残されたことを暴露したメディアに対して情報源を明らかにするよう求めており、情報源を開示しなければ逮捕すると語った。

Trump threatens to jail journalists in hunt to find leaker of Iran fighter jet story – NBC News 2026/04/07
https://www.nbcnews.com/politics/donald-trump/trump-iran-press-conference-jail-journalist-fighter-jet-pilot-rcna266958

・The Dallas Expressは共和党とかかわりのある人物がCEOのメディアで、関係者にも共和党支持者が多い。また、ネット上のサービスでは共和党候補者の広告を多く手掛けてきた企業のインフラを利用している。
同誌は民主党議員の未成年の息子の疑惑を名前は掲載しなかったものの、容易に特定可能な形でペンネームの記者名で掲載した。
記事の内容にも疑問が多く、同誌が共和党のプロキシとして活動している懸念がある。
同誌はまた創立者が立ち上げを支援した市民団体の記事も掲載しており、アストロターフィングにプロキシの利用などまるでロシアのデジタル影響工作をなぞっているかのようだ。

‘Gossip and Sleaze’: Dallas Express Smears State Rep’s Son Under Fake Byline – The Texas Observer 2026/04/06
https://www.texasobserver.org/dallas-express-smears-state-rep-son-fake-byline/

・2021年から始まったガーディアン誌によるFacebookとInstagram上での児童性的虐待を目的とした人身売買の調査の記録。
同誌は人身売買の実態を暴き、Metaが問題を放置してきた責任を明らかにした。Metaは告訴され、Metaの公式見解と真っ向から対立する主張をInstagramの責任者が証言するなど波乱。Metaへの訴訟ラッシュは続く模様。

‘It started with a tipoff’: how a Guardian investigation exposed child sex trafficking on Facebook and Instagram – The Guardian 2026/04/06
https://www.theguardian.com/global-development/2026/apr/06/investigation-exposed-child-sex-trafficking-on-facebook-and-instagram-meta

・トランプとプーチンが支持し、国民があまり支持していないハンガリーのオルバン首相の選挙に向けたラストスパートが始まった。
ハンガリーの対テロ部隊はウクライナの銀行員を拘束し、貴重品を押収した。押収品の画像をAIで増量して公開した。反ウクライナを煽るような偽情報を繰り返している。対立候補の関係者がウクライナの国旗を掲げて行進している画像や、対立候補とゼレンスキーが黄金のトイレに現金を流している画像などをAIで生成して拡散。シュールな趣向も出てきた。

Orban fuels anti-Ukraine mood ahead of Hungarian vote – Euractiv 2026/04/06
https://www.euractiv.com/news/orban-fuels-anti-ukraine-mood-ahead-of-hungarian-vote/

・偽の履歴書で求人に応募してきた北朝鮮人を見抜く方法を実践した動画がXで拡散。応募者に金正恩の悪口を言うよう指示すると応募者は戸惑った様子で口ごもり、面接を終了した。

Watch this video of how a job interviewer exposes a North Korean fake IT worker – TechCrunch 2026/04/06
https://techcrunch.com/2026/04/06/watch-this-video-of-how-a-job-interviewer-exposes-a-north-korean-fake-it-worker/

・ハンガリー総選挙を前に、トランプは集会に電話で参加し、オルバンの支持を表明し、移民排斥などについて大絶賛した。
ヴァンスはブダペストに赴き、オルバンを欧州で最も重要な指導者と讃え、ハンガリーとアメリカが西洋文明の防衛をになっていると語った。
もはや、中露の認知戦がどうのっていうレベルではない干渉に見えるのは気のせいでしょうか。
そのうち、日本のテレビにトランプがオンラインで登場して特定の政治家を推薦することになりそう。
NoBorderにヴァンスが登場したらとんでもないことになりそう。

Trump gives ‘fantastic’ Orban election endorsement live by phone – Euractiv 2026/04/07
https://www.euractiv.com/news/trump-gives-fantastic-orban-election-endorsement-live-by-phone/

Vance pledges to help Orban ‘as much as we can’ – Euractiv 2026/04/07
https://www.euractiv.com/news/vance-pledges-to-help-orban-as-much-as-we-can/

・ベリングキャットによる衛星画像が途絶えたイランや湾岸地域の状況を把握できるツールの紹介。
European Space Agency (ESA)が無償で提供している衛星画像を統計的に解析することで被害状況を推定する。カバー範囲はガザ、ウクライナ、スーダン、シリア、イラクなどの30都市で、精度は高い。

When Satellite Imagery Goes Dark: New Tool Shows Damage in Iran and the Gulf – Bellingcat 2026/04/07
https://www.bellingcat.com/resources/2026/04/07/tool-damage-assessment-destruction-sentinel-satellite-imagery-iran-us-gulf/

・アメリカのメイン州では新規データセンターの建設を一時停止する法案LD 307が可決の見通し。すでに上院と下院で可決されており、両院で最終採決が行われる。LD 307は20メガワット以上のデータセンターを対象としたもので、事前に協議会の設置を義務づけられる。全米でデータセンターへの反対運動が広がっており、ウィスコンシン州では間もなく住民投票が行われる。

Maine Is Close to Passing a Moratorium on New Datacenters – 404 Media 2026/04/07
https://www.404media.co/maine-datacenter-construction-bill-ld-307/

・アメリカ軍の基地使用を拒否したスペインの国防相はアメリカと緊張感はなく、規則通りに運用しているだけとした。「規則に反してアメリカの要求に従わないのは勇気ではなく、法制度への敬意である」

Crosetto defends Italy’s refusal of US base flights as constitutional – Euractiv 2026/04/07
https://www.euractiv.com/news/crosetto-defends-italys-refusal-of-us-base-flights-as-constitutional/

・ミシガン州の小さな街がイランのドローン攻撃の脅威に怯えている。ミシガン大学とロスアラモス国立研究所のデータセンターの建設地となっているため、イランのドローン攻撃の標的になる可能性が危惧されている。
ロスアラモスは核兵器開発で知られており、優先度の高い攻撃対象になる可能性が高い。それ以外にデータセンターにつきものの電気代の高騰、水不足、汚染、騒音などが懸念され、住民の不安と不満は募り反対運動が行われている。
商業用データセンターも攻撃対象になる以上、同じ光景がいずれ日本のあちこちでも見られそう。

Tiny Township Fears Iran Drone Strikes Because of New Nuclear Weapons Datacenter – 404 Media 2026/03/20
https://www.404media.co/tiny-city-fears-iran-drone-strikes-because-of-new-nuclear-weapons-datacenter/

・オンライン詐欺産業が10兆円を超える規模に拡大し、いくつか国ではGDPの半分を占めるようになった。
世界中から求人広告や人身売買で数十万人を集め、強制労働施設で働かせている。
多様な事業を展開し、マネーロンダリングと決済ネットワークを張り巡らす。詐欺グループはその国の支配層に食い込み、時には特使として対外的な活動にもいそしむ。支配層はその資金力とネットワークに依存するようになり、徐々に侵食されてゆく。
こうした国々は、中国の「犯罪植民地」と化したと言っても過言ではないだろう。犯罪植民地は東南アジアに複数あり、日本もそうなる可能性を秘めている。
近年話題のトクリュウの一部は、犯罪植民地を進めるオンライン詐欺グループが関与している。

新しいハイブリッド脅威 中国の犯罪植民地 – 一田和樹のメモ帳 2026/04/08
https://note.com/ichi_twnovel/n/n1556a14eb309

・親イラン派はAIを利用してトランプ氏、ネタニヤフ氏、ハメネイ師の健康状態に関する偽情報を拡散しようとした。元気に指揮を執るモジュタバの動画をAIで生成、シークレットサービスのエージェント2人に支えられているトランプのAI生成動画を拡散した。
その一方で現実のネタニヤフの元気な動画をAI生成の偽動画という主張を広めようとしていた。ますます真偽不明になってくる。

AI Misdiagnoses Health of World Leaders – NewsGuard’s Reality Check 2026/04/08
https://www.newsguardrealitycheck.com/p/ai-misdiagnoses-health-of-world-leaders

・AIを活用した新手の遠隔医療詐欺?
名門ニューヨークタイムズが大々的にAI時代の成功としてとりあげた企業(ふたりで18億ドルの年商!?)の実態がとんでもなかったことが複数のメディアで暴露され、話題というか大騒ぎになっている。
いまだにメディアは自分たちが騙されやすくカモにされやすい人間だと気づいていないのかもしれない。
メディアは一般人のリテラシー向上の必要性を訴えることが多いが、よく騙されて利用されるのはメディアの人間なのだ。

How A.I. Helped One Man (and His Brother) Build a $1.8 Billion Company – The New York Times 2026/04/04
https://www.nytimes.com/2026/04/02/technology/ai-billion-dollar-company-medvi.html

Medvi, the AI-powered telehealth company, is fueled by ads from doctors who don’t appear to exist – Business Insider 2026/04/07
https://www.businessinsider.com/medvi-ai-weight-loss-millions-ai-advertising-legal-compliance-challenges-2026-4

The New York Times Got Played By A Telehealth Scam And Called It The Future Of AI – Techdirt 2026/04/07
https://www.techdirt.com/2026/04/07/the-new-york-times-got-played-by-a-telehealth-scam-and-called-it-the-future-of-ai/

・アメリカの極右メディアNewsmaxのポーランド語版フランチャイズが始まるのが話題になっている。
ポーランド国内の極右政党へのプラスの影響、来年の選挙への影響など懸念が出て来ている。セルビアの国営通信テレコム・セルビアが放送する予定だが、この放送局は政権よりで批判されている。また、フランチャイズでEuronewsをセルビア、モンテネグロ、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナで配信している(このへんの偏向の問題は以前紹介した)。
さらにたちの悪いことに、EUの規制に従わず、ロシアのプロパガンダメディアとして有名なスプートニクやRTを禁止していない。
近年、セルビアは極右が台頭してきており、トランプの欧州への干渉と相まって極右の勢いが増しそう。

US far-right media to open Polish franchise with Serbian backing – Euractiv 2026/04/08
https://www.euractiv.com/news/us-far-right-media-to-open-polish-franchise-with-serbian-backing/

・イランはアメリカのビッグテックなどの施設を攻撃するとして標的リストを公開した。この他にさまざまな標的リストを公開している。
しかし、実際の攻撃以上に反イスラエル派などが標的リストが攻撃されたという偽情報を発信している。標的リストは言わば偽情報を先導する役割を担っている。
標的リストに従った偽情報は、原発のミサイル攻撃動画、ビッグテックがテナントとして入っているビルへのミサイル攻撃動画、橋梁破壊の偽情報などが出回っていた。

Iran Threats Produce Fake Claims of Missile Strikes – NewsGuard’s Reality Check 2026/04/09
https://www.newsguardrealitycheck.com/p/iran-threats-produce-fake-claims

・「本研究は、偽情報対策に関わる学者・ファクトチェッカー・ジャーナリストの3グループが、生成AIがもたらす偽情報のリスクについてどこで一致し、どこで意見が分かれるのかを直接比較した数少ない調査である」
「AI生成偽情報への対処能力について、ファクトチェッカーの自己評価(平均6.05、7段階中)は学者(5.27)やジャーナリスト(5.10)を有意に上回っていた」
「大型オンラインプラットフォームが偽情報に対処する責任を負うべきという点では、全体の62%が「強く同意」しており、最大の合意事項であった。しかし、その先で意見が分かれる。ファクトチェッカーは、プラットフォーム企業の責任をより強く求めると同時に、自分たち自身の責任も高く評価している。「最前線の対応者」としての自己認識が表れているといえる。一方、学者はニュースユーザーにも責任があると考える傾向が強く、これはメディアリテラシー研究を重視する学術的伝統を反映している」

リスク認識では一致、責任の帰属では分裂――AI偽情報をめぐる専門家調査 – INODS UNVEIL 2026/04/09
https://inods.co.jp/topics/report-reviews/9273/

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この記事を書いた人

複数のIT企業の経営にたずさわった後、2011年にカナダの永住権を取得しバンクーバーに移住。同時に小説家としてデビュー。リアルに起こり得るサイバー犯罪をテーマにした小説とネット世論操作に関する著作や評論を多数発表。代表作として『原発サイバートラップ』(集英社)、『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』(集英社)、『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』(角川新書)、『ネット世論操作とデジタル影響工作』(原書房)など。
10年間の執筆活動で40タイトル刊行した後、デジタル影響工作、認知戦などに関わる調査を行うようになる。
プロフィール https://ichida-kazuki.com
ニューズウィーク日本版コラム https://www.newsweekjapan.jp/ichida/
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